2型糖尿病・過体重/肥満患者に対するレジスタンストレーニングの有益性を確認:系統レビューとメタアナリシス
Impact of resistance training on cardiometabolic health-related indices in patients with type 2 diabetes and overweight/obesity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
背景
2型糖尿病(T2D)で過体重/肥満を合併する患者における、心血管代謝関連指標に対するレジスタンストレーニングの効果は。
ギリシャUniversity of ThessalyのBatrakoulisらは、T2D・過体重/肥満合併患者を対象に、筋力トレーニングと運動を伴わない標準治療と比較したRCTの系統レビューとメタアナリシスを行った。
結論
18件(1,180名)が含まれた。レジスタンストレーニングにより、ウエスト周囲径(標準化平均差[SMD]−0.85 cm)・ウエストヒップ比(W/H比[SMD]−0.72)・HDLコレステロール(SMD+0.40 mg/dL)・TG(SMD−0.54 mg/dL)・空腹時血糖値(SMD−0.65 mmol/L)・空腹時インスリン(SMD−0.74 uIU/mL)・HbA1c(SMD−0.32%)が標準治療と比較して改善した。バイアスのリスクは低〜不明確で、エビデンスの質は低〜中等度であった。
評価
類似主題に関し類似結果を示した他メタアナリシス(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38623887/)とともに、過体重・肥満のT2D患者におけるレジスタンストレーニングの有益性を確定した。
無酸素運動であるレジスタンストレーニングは、血糖降下に対する有効性が確認されており、比較的短期間でも血糖降下作用がみられる、とされる。
また、白筋(速筋線維)の減少がT2D患者では健常者と比べ大きく、速筋線維を鍛える筋トレが血糖値を下げたり、筋力低下を防ぐために有効であることも知られている。