24時間の身体活動と血圧: ProPASSコンソーシアム最大規模分析
Device-Measured 24-Hour Movement Behaviors and Blood Pressure: A 6-Part Compositional Individual Participant Data Analysis in the ProPASS Consortium
背景
適切な運動による血圧(BP)低下効果は十分に確立されているが、日常生活における一日を通した運動行動の効果は。
イギリスUniversity College LondonのBlodgettらは、Prospective Physical Activity, Sitting, and Sleep(ProPASS)コンソーシアムの6コホートにおける5ヵ国14,761名の健康データを分析し、24時間の行動構成と収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)との関連を推定した。
各参加者は大腿部に加速度計を装着し、昼夜を問わず活動と血圧を測定した。日常の活動を、睡眠・座位行動・起立・緩歩・早歩・運動様活動(ランニング・サイクリング・階段昇降)の6つのカテゴリーに分けた。
結論
24時間の平均構成は、睡眠(7.13時間)・座位行動(10.7時間)・起立(3.2時間)・緩歩(1.6時間)・早歩(1.1時間)・運動様活動(16.0分)であった。運動や睡眠に費やす時間が他の行動に比べて長いほど、血圧は低下した。運動様活動が5分長くなると、SBPが−0.68 mm Hg、DBPが−0.54 mm Hg低下すると推定された。また、座位行動を1日20〜27分の運動に置き換えると、心血管疾患を最大28%減らす可能性があると推定された。
評価
血圧管理への運動の有効性は周知だが、加速度計を使った24時間運動に関するデータは、これが最大であろう。この研究では、個人の身体能力に関わらず、運動が血圧に良い影響をもたらすまでにそれほど時間はかからない、という結果も得ている。ProPASSの運動変数のユニークな点は、バスに間に合うように走ることや、ちょっとした用事を自転車で済ませることなど、あらゆる運動に似た活動が含まれていることである。著者らは、日常生活でのちょっとした運動の効果を強調している。