HIV感染予防でレナカパビルの適応を拡大:PURPOSE 2試験
Twice-Yearly Lenacapavir for HIV Prevention in Men and Gender-Diverse Persons
背景
HIV-1カプシド阻害薬レナカパビルの年2回皮下投与は、シスジェンダー女性におけるHIV感染予防に有効だが、シスジェンダー男性・トランスジェンダー・ノンバイナリー等の人々に対する曝露前予防(PrEP)効果は。
アメリカGilead SciencesのDasら(PURPOSE 2)は、4,807名の参加者を対象として、これを検証する第3相RCTを行った。26週間毎のレナカパビル皮下投与の有効性を、エムトリシタビン/テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF)の連日経口投与と比較した。一次有効性分析では、レナカパビル群のHIV感染率をスクリーニング対象集団のHIVのバックグラウンド感染率と比較した。
結論
レナカパビルの一次エンドポイント有効性を認めた[mITT解析対象3,265名中、HIV感染が認められたのは、レナカパビル群2名(100人年あたり0.10)、F/TDF群9名(100人年あたり0.93)であった(スクリーニング対象集団のバックグラウンド感染率:100人年あたり2.37)]。レナカパビル群におけるHIV感染率は、バックグラウンド感染率(発生率比 0.04)およびF/TDF群の感染率(発生率比 0.11)より有意に低かった。安全性懸念は確認されなかった。レナカパビル群の1.2%、F/TDF群の0.3%が、注射部位反応のため試験を中止した。
評価
評価対象は広く、シスジェンダーゲイ・バイセクシュアル男性・トランスジェンダー女性・トランスジェンダー男性・ジェンダーノンバイナリの人々であった。アメリカでの最新の新規感染集団はシスジェンダーゲイであり、これらの集団に対する適応拡張確認は必須であった。レナカパビルの効果・安全性の再確認は重要で、年2回皮下という簡便さが、さらに広汎なPrEP効果を約束している。