ベトナムで小児PCV10ワクチン接種回数を削減する
Effect of a Reduced PCV10 Dose Schedule on Pneumococcal Carriage in Vietnam

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2024
391
開始ページ
1992

背景

NEJMは、中低所得国における肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)使用戦略に関する2論文を併載している。
日本Nagasaki University(長崎大学)のYoshidaらがPCV未導入のベトナムのニャチャン市で行った試験は、集団免疫確立集団に対する3回接種スケジュールから2回接種スケジュール(1p+1)への転換可能性を検証するもので、乳幼児1,363名を対象として、10価PCV(PCV10)初回接種1回+追加接種1回(1p+1)を、3回接種と比較する非劣性試験を行った。
一次エンドポイントは、ワクチン血清型肺炎球菌保菌に対する防御である。

結論

PCV10導入前の2016年には、乳児の11.7%にワクチン血清型肺炎球菌保菌を認めたが、2020年には、1p+1群の1.8%、2p+1群の1.5%、3p+0群の1.3%に保菌が認められ、1p+1の2p+1および3p+0に対する非劣性が示された。2016年にも0p+1の3回接種スケジュールに対する非劣性が示された。ただし、血清型6Aに対する交差防御は、他のワクチン接種スケジュールよりも一般的でなかった。PCV10関連の重篤副反応はなかった。

評価

NEJMは、10価(PCV10[GSK])および13価(PCV13[Pfizer])の20%または40%投与と全量投与の免疫原性を比較したケニアでの非劣性試験を併載している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2314620)。
この試験は、Bill and Melinda Gates Foundationと日本医療研究開発機構(AMED)の助成を受けて、ケニアより集団免疫レベルも所得レベルも高いベトナムでの最適戦略を探索したもので、3回接種が不要であることを示した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell