低所得国で肺炎球菌結合型ワクチンを普及させる
Fractional Doses of Pneumococcal Conjugate Vaccine−A Noninferiority Trial
背景
肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)は高価で、低所得国での代替投与法が検討されている。
ケニアKEMRI-Wellcome TrustのGallagherらは、ケニアの健常乳児1,572名を対象として、10価(PCV10[GSK])および13価(PCV13[ファイザー])の20%または40%投与と全量投与の免疫原性を比較する非劣性試験を行った。ワクチン血清型の保有率も分析した。
結論
PCV13の40%群が、初回投与シリーズ後の血清型13種中12種、および追加投与後の13種中13種で非劣性基準を満たした。PCV13の20%群、PCV10の40%・20%群は、非劣性でなかった。ワクチン血清型保有率は、生後9ヵ月と18ヵ月時でPCV13群全体で同程度であった。
評価
NEJMは、ベトナムで行われた、初回-ブースター接種の回数を減らす(初回接種の省略を含む)手法に関するRCTの成功報告を併載している(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2400007)。ここでのケニアの手法は、ベトナムよりワクチン接種率が低い低所得国に適合するもので、著者らは、ここでの結果により、インド血清研究所(SII)などの代替ソースからの低コストの製品の導入で、低所得国での価格をさらに引き下げうる、としている。