退職年齢者の勤務時間中の長い立位は24時間血圧に悪影響
Associations between Leisure and Work Time Activity Behavior and 24 H Ambulatory Blood Pressure among Aging Workers
背景
長時間の座位行動は心血管疾患や糖尿病などのリスクを高めることが知られるが、勤務時間と余暇時間の身体活動(PA)および座位行動(SED)と24時間血圧(BP)との関連は。
フィンランドUniversity of TurkuのNorhaらは、Finnish Retirement and Aging study(FIREA)に参加した退職年齢に近づいている市役所職員156名のPAを、勤務時間中・余暇時間・休日に大腿部に装着した加速度計を使用して測定し、活動行動とBPとの関連を評価した。
結論
勤務時間における長いSEDは、夜間の拡張期血圧の低下と関連していた(B=-0.92)。さらに、勤務時間における長い立位は、日中の拡張期血圧の上昇と関連していた(B=1.34)。また、勤務時間における長い軽度PAは、拡張期血圧の昼夜間差(dipping)の減少と関連していた(B=-3.57)。いずれの場合でも、中等〜高強度PAは24時間血圧と関連しなかった。
評価
オフィスでのスタンディングデスクが推奨されることがあるが、ここでの結果では、それは良い気分転換にはなるが、長時間では有害である。著者らは、「30分おきに歩いたり、一日のうち何時間か座ったりし、仕事中は立つのを止めて休憩を取る方が良い」としている。高齢公務職員に関する中規模研究結果で、普遍化のためには拡大追試が必要である。