腎臓移植拒絶反応への微小血管炎の重要性を確定
Microvascular Inflammation of Kidney Allografts and Clinical Outcomes
背景
2022に、腎における同種移植拒絶反応に新カテゴリー(Banff分類:抗体関連型拒絶反応[ABMR: antibody-mediated rejection]と抗体介在性拒絶反応[antibody-mediated response]の証拠がないMVI[移植片微小血管炎])が導入された。
フランスParis Institute for Transplantation and Organ RegenerationのLoupyらは、ここで鍵となるMVIを評価するために、欧米30以上の施設において、2004〜2023年の間に移植片生検を受けた腎移植レシピエント6,798名から採取した計16,293の腎移植生検標本を評価するコホート研究を実施した。臨床データと病理データを統合し、生検標本を2022年版Banff分類に従って分類した。次に、新たに認識されたMVIの表現型と移植片の生存期間および疾患進行との関連を評価した。
結論
新たに認識されたMVIの表現型を788標本で特定したが、その641は以前に拒絶反応の証拠がない標本として分類されていた。拒絶反応のない患者と比較すると、抗体介在性反応の証拠がないMVI患者の移植片喪失のハザード比は2.1、抗体介在性拒絶反応の証拠がある患者では2.7であった。抗体介在性拒絶反応の疑いがある患者は、拒絶反応のない患者より生検後5年を超えて移植片不全になるリスクが高かった(HR 1.7)。新たに認識されたいずれかのMVIの表現型と診断された患者は、MVIのない患者より移植糸球体症が進行するリスクが高かった。
評価
MVIは、腎移植後の不良転帰の独立予測因子であることが知られていたが、MVIを鍵としたBanff分類の導入が、表現型の臨床的・組織学的・予後的異質性をより効果的に反映することを、欧米の大規模データにより確認した。このような観点は、心臓・肺その他の臓器移植にも及ぶ可能性が高い。