IgA腎症に経口補体阻害薬iptacopan登場:APPLAUSE-IgAN
Alternative Complement Pathway Inhibition with Iptacopan in IgA Nephropathy
背景
Iptacopanは、経口補体第二経路B因子阻害薬で、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)への効果が示されている。オーストラリアUniversity of New South WalesのPerkovicら(APPLAUSE-IgAN)は、最適化された支持療法にもかかわらず、IgA腎症とタンパク尿が確認された患者443名を対象に、支持療法を継続しながら同薬またはプラセボを24ヵ月間投与する第3相RCTを行った。
一次エンドポイントは、9ヵ月目の24時間尿蛋白/クレアチニン比(UP/Cr)のベースラインからの変化である。
結論
Iptacopanの一次エンドポイント効果を認めた(−38.3%)。タンパク尿の統計的かつ臨床的に有意な減少も認めた。実薬に予期しない安全性所見はなかった。有害事象発生率は両群同等で、ほとんど軽度〜中等度で可逆的であった。感染リスクの増加はなかった。
評価
IptacopanはNovartisの創薬で、すでに2024年8月にFDAに迅速承認を受けている。NEJMは、選択的エンドセリンタイプA受容体拮抗薬atrasentanの有効性を示したALIGN結果も併載しており(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2409415)、先行したnefecon・sparsentanを含め、IgA腎症への治療オプションは急速に拡大してきた。なお、同薬は、C3腎症・非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)・免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)・ループス腎炎(LN)等希少腎疾患への応用も探索中である、という。