ミフェプリストン/ミソプロストールによる妊娠超初期中絶は安全・有効:VEMA
Randomized Trial of Very Early Medication Abortion
背景
ミフェプリストン/ミソプロストールによる薬剤中絶は有効性と安全性が確認されているが、妊娠超初期(超音波検査による確認前)における有効性・安全性は。
スウェーデンKarolinska InstitutetのBrandellら(VEMA)は、9ヵ国26施設において超初期中絶を希望した1,504名を、早期薬物中絶群(754名)と、超音波検査による子宮内妊娠確認後までの待機群(750名)に割り付け、これを検証するRCTを行った。一次アウトカムは、完全な中絶である。
結論
一次アウトカムは、早期群の95.2%、待機群の95.3%に発生し、早期群の非劣性を確認した。早期群の1.3%、待機群の0.8%が異所性妊娠で、早期群の1名では診断前に破裂した。重篤有害事象は、早期群の1.6%、待機群の0.7%に発生し、大部分は合併症を伴わない入院であった。早期群では、痛みや出血が少なかった。
評価
アメリカの一部の州では、妊娠6週目以降の中絶を禁止する法改正があり、薬剤による超早期中絶の研究は特に重要になった。ここでの結果は、すでに存在する大規模観察研究の結果を確認し、この手法を現時点での超早期中絶のスタンダードとするものである。著者らは、超初期の薬剤中絶は、未診断子宮外妊娠の場合でも有効・安全である可能性があるとし、また、この方向での薬剤選択・用量の更なる最適化だけでなく、新規避妊薬の開発も視野に入る、としている。