中等度デュピュイトラン拘縮でコラゲナーゼ注射は筋膜切開に非劣性:DISC ISRCT
Collagenase Injection versus Limited Fasciectomy for Dupuytren’s Contracture
背景
デュピュイトラン拘縮の治療オプション、部分腱膜切除術(limited fasciectomy:LF)とコラゲナーゼ注射の選択は。
イギリスUniversity Hospitals of Leicester NHS TrustのDiasら(DISC ISRCTN)は、中等度のデュピュイトラン拘縮患者672名を対象に、コラゲナーゼ注射とLFを比較する非盲検RCTを実施した。一次アウトカムは、治療後1年時点のPatient Evaluation Measure-Hand Health Profile(PEM)のスコアである。
結論
コラゲナーゼ注射のLFに対する一次アウトカム非劣性を認めた(差5.9ポイント)、2年後のPEMの平均スコアの差も7.2ポイントであった。治療による中等度または重度の合併症は、コラゲナーゼ群の患者の1.8%とLF群の5.1%に発生し、再発性拘縮により、それぞれ14.6%と3.4%で再介入が必要だった。
評価
両治療法は長く併存しており、比較試験が必要であった。イギリスNHS31施設共同による最初の大規模対決試験だったが、COVID-19パンデミック中に実施された非盲検試験で中断が多く、コラゲナーゼ注射の非劣性というここでの1年結果からの結論も、最終的とはみなし難い。拘縮の進行や再介入発生率等のより長期の追跡結果が、結論を変える可能性もある。