フェニルケトン尿症に新薬sepiapterin登場:APHENITY
Effects of oral sepiapterin on blood Phe concentration in a broad range of patients with phenylketonuria (APHENITY): results of an international, phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial
背景
フェニルケトン尿症(PKU)治療には決め手がない。
ドイツ University Medical Center Hamburg-EppendorfのMuntauら(APHENITY)は、13ヵ国34施設の小児・成人PKU患者157名対象に、新規経口PKU治療薬sepiapterinの有効性・安全性を評価する第3相RCTを行った。
パート1で、sepiapterinに対する血中Phe濃度の反応を14日間オープンラベルで評価した。パート2では、パート1でsepiapterinに反応した参加者を、ブロックランダム化スケジュールに基づくWeb応答システムによって、6週間のsepiapterin用量漸増またはプラセボに割り付けた。一次エンドポイントは、血中フェニルアラニン(Phe)濃度である。
結論
パート1で156名を評価し、その73%がsepiapterin反応性を示した。パート2では、98名のデータを解析し得た。プラセボと比較して、sepiapterin6週間投与後の血中Phe濃度の有意減少を確認した(1% vs. −63%)。有害事象はsepiapterin群の59%、プラセボ群の33%に発生した。ほとんどは軽度胃腸障害(sepiapterin群20%、プラセボ群19%)で、直ちに解消した。死亡例はなく、重篤有害事象もなかった。
評価
PTC Therapeuticsによる新薬で、Phe分解の必須補因子tetrahydrobiopterin(BH4)の自然前駆体である。すでにFDAに承認申請されており、承認は確実である。日本への申請も2024年後半に予定されている。