肥満・過体重成人は、毎日の座位時間を減らすと腰痛悪化を防げる
Effects of reducing sedentary behaviour on back pain, paraspinal muscle insulin sensitivity and muscle fat fraction and their associations: a secondary analysis of a 6-month randomised controlled trial
背景
座位的行動様式(座りっぱなし:SB)の低減は、腰痛緩和のための常識的な介入だが、それを確認したデータは少ない。
フィンランドTurku UniversityのNorhaらは、BMI25〜40で中・高強度身体活動(MVPA)が週120分未満の40〜65歳64名を対象に、座位行動(SB)を1日1時間削減目標とする6ヵ月間の介入が、腰痛・疼痛関連障害・傍脊柱筋インスリン感受性(GU)・筋脂肪分率(FF)に及ぼす影響を検討した(対照:普段通りの活動を継続)。
結論
両群とも介入中に疼痛関連障害が増加した。
腰痛強度は、対照群で有意に高かったが、疼痛関連障害・傍脊柱GU・FFにおいては、群間に有意差はなかった。全体では、1日の歩数の変化は、傍脊柱筋GUの変化と正に相関した。
評価
座りっぱなし(SB)時間を減らすだけで心血管・代謝リスク因子にインパクトを与えられるか、というテーマで2017年4月〜2020年3月に同機関で実施された6ヵ月間のRCTの二次解析である(NCT03101228)。腰痛の軽減、というエンドポイントに照準を合わせた分析で、一定の効果はあるようだ、という結論を導いた。