シスジェンダー女性のPrEPへのレナカパビルの有効性を確認:PURPOSE 1試験
Twice-Yearly Lenacapavir or Daily F/TAF for HIV Prevention in Cisgender Women
背景
特にアフリカにおいて、シスジェンダー女性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)曝露前予防(Pre-Exposure Prophylaxis: PrEP)は、不十分である。
アメリカGilead SciencesのDasら(PURPOSE 1)は、南アフリカとウガンダのHIV陰性女性5,338名を、(1)26週毎にレナカパビルを皮下投与し、連日プラセボを経口投与する群、(2)連日エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(F/TAF)経口投与し、26週毎にプラセボを皮下投与する群、(3)連日エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF)投与し、26週毎にプラセボを皮下投与する群に割り付け、レナカパビルの安全性・有効性を評価する、第3相RCTを行った。
スクリーニング対象集団におけるHIV感染率と推定背景感染率と比較して、有効性を評価した。F/TDFと比較した相対的有効性も評価した。
結論
55名がHIV感染した(レナカパビル・F/TAF・F/TDF群で、それぞれ0.0・2.02・1.69件/100人年)。スクリーニング対象集団では、HIV背景感染率は2.41件/100人年であった。レナカパビル群のHIV感染率は、HIV背景感染率およびF/TDF群のHIV感染率よりも有意に低かった(感染率比は両方とも0.00)。F/TAFによるHIV感染率とHIV背景感染率に有意差はなく、F/TAF群とF/TDF群のHIV感染率にも有意差はなかった。
F/TAF群とF/TDF群の服薬アドヒアランスは低かった。安全性の懸念はなかった。注射部位反応は、レナカパビル群がプラセボ注射群(F/TAF群とF/TDF群の統合)より多かった。レナカパビル群の0.2%が、注射部位反応により試験を中止した。
評価
F/TDFは2012 年からFDA承認されており、その後、最近では月1回のダピビリン膣リング(DPV-VR)と 2 ヵ月ごとの筋肉内注射のカボテグラビル(Vocabria)PrEPの選択肢となっているが、HIV感染率が不均衡な集団では最適でなかった。この試験は、慎重で倫理的なデザインにより、年2回レナカパビル使用のPrEP有効性を確認したが、問題はコスト(米国で年約$43,000)で、アフリカで汎用できるレベルではない。