遺伝性出血性末梢血管拡張症患者の鼻出血にポマリドミドが有望:PATH-HHT
Pomalidomide for Epistaxis in Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia
背景
遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)患者は、反復性鼻出血が95%以上で発生するが、FDA承認薬がない。
アメリカCleveland ClinicのMcCraeら(PATH-HHT)は、HHTに対するポマリドミド24週間投与の安全性・有効性を評価する第2相RCTを実施した(n=144、対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、鼻出血重症度スコア(ESS)のベースラインから24週までの変化である。
結論
中間解析で事前規定有効性閾値が満たされ、試験は中途終了した。ベースラインの平均ESSは5.0で、一次アウトカムのポマリドミドの一次アウトカム有効性を認めた(プラセボとの差:−0.94ポイント)。HHT特異的QOLスコアの変化差は−1.4ポイントであった。実薬群ではプラセボ群に比して、好中球減少・便秘・皮疹等の有害事象の頻度が高かった。
評価
この適応ではサリドマイドが試みられていたが効果が安定せず、誘導体であるポマリドミドが有効性を示した。同様の効果が消化管出血や動静脈奇形のHHT患者でみられるかどうかは不明であり、またベバシズマブとの優劣も明らかでない。治療スタンダードとなるためには、さらなる研究が必要である。