一般的経口抗菌薬と皮膚有害反応:最大規模調査
Oral Antibiotics and Risk of Serious Cutaneous Adverse Drug Reactions

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
August 2024
332
開始ページ
730

背景

一般的に処方される経口抗菌薬と、その後の重篤な皮膚有害反応(cADR)発現との関連は。
カナダUniversity of TorontoのLeeらは、2002〜2022年の同国オンタリオ州の行政医療データを使用し、抗菌薬関連cADR症例群(n=21,758)と非cADR対照群(n=87,025)を比較するケース・コントロール研究を行った。

結論

一般的に処方される経口抗菌薬、特にスルホンアミド(aOR=2.9)・セファロスポリン(2.6)・ニトロフラントイン(2.2)・ペニシリン(1.4)・フルオロキノロン(1.3)は、マクロライドと比較して、重篤cADR・入院・死亡リスクが有意に高かった。

評価

高齢者のポリファーマシー等に関連する重要なテーマで、最近のレビューもあるが(https://bpspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/bcp.15490)、経口薬に特化した調査としては、最大規模のものである。
重篤cADRの代表例は、中毒性表皮壊死症(TEN)とスティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)で、ここでの調査集団では、SJS・TENと明確に特定されたのは1.8%であった、という。また、院内死亡率は全重篤cADRでは低かった(5.3%)が、SJS・TENサブタイプでは顕著に高かった(20.0%)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell