小児先天性副腎過形成症に70年ぶりの新薬crinecerfont登場:CAHtalyst
Phase 3 Trial of Crinecerfont in Pediatric Congenital Adrenal Hyperplasia
背景
Crinecerfontは、新規経口コルチコトロピン放出因子1型受容体拮抗薬である。
アメリカUniversity of MinnesotaのSarafoglouら(CAHtalyst Pediatric)は、世界37施設において、小児先天性副腎過形成症(CAH)患者103名対象として、同薬の効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ, 28週間)。
グルココルチコイド投与量を、4週間一定に保った後、参加者のアンドロステンジオンレベルがコントロール下なら、目標用量8.0〜10.0 mg/m2体表面積/日(ヒドロコルチゾン当量)に調節した。
一次有効性エンドポイントは、アンドロステンジオンレベルのベースラインから4週目までの変化である。
結論
28週時点で、参加者の97%が試験を継続しえていた。4週時点で、crinecerfont群でのみアンドロステンジオン レベルが大幅に減少し(-197 ng/dL[-6.9 nmol/L])、一次有効性エンドポイントが達成された。28週間後、crinecerfont群でのみ平均グルココルチコイド投与量が減少した(18.0%)。最も一般的な有害事象は、頭痛・発熱・嘔吐であった。
評価
Neurocrine Biosciences社の創薬で、70年ぶりの本格的新規CAH治療薬である。NEJMは、CAHtalyst 第3相成人データも併載しており(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2404656)、FDA承認は確実である。