ネフローゼ症候群における抗ネフリン自己抗体の役割りを確定
Autoantibodies Targeting Nephrin in Podocytopathies
背景
ネフローゼ症候群(NS)における抗ネフリン自己抗体の役割が注目されている。
ドイツUniversity Medical Center Hamburg-EppendorfのTomasら(International Society of Glomerular Disease: ISGD)は、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)・原発性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)・膜性腎症(MN)・IgA腎症・抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連糸球体腎炎・ループス腎炎(SLE)等の糸球体疾患の成人患者357名、特発性ネフローゼ症候群(INS)の小児患者182名、対照者117名を対象として、抗ネフリン自己抗体解析を行った。MCDモデルマウスモデルによる検証も行った。
結論
抗ネフリン自己抗体は、成人においてはMCNSの44%、原発性FSGSの9%、小児INSの52%で検出された。成人MCD患者の69%と免疫抑制剤治療を受けていない小児INS患者の90%が抗ネフリン自己抗体を保有していた。抗ネフリン自己抗体レベルは疾患活動性と相関していた。マウスモデルにおいて、ネフリン抗体チャレンジによりNS・MCNS様表現型、ポドサイトスリット膜へのIgGの局在、ネフリンのリン酸化、重度の細胞骨格変化が誘導された。
評価
NSにおける抗ネフリン自己抗体仮説を、大規模観察研究によって支持するとともに、低濃度単一チャレンジでNSを誘起できる、という動物レベルでの病因論的エビデンスも提出した。さらに、ELISAを使用した新しい検査法も確立しており、個別化治療アプローチのためのバイオマーカーとして使用できることも明らかにした。ランドマーク研究である。


