重症血友病A小児にエフアネソクトコグ アルファを定期補充:XTEND-Kids
Efanesoctocog Alfa Prophylaxis for Children with Severe Hemophilia A
背景
12歳未満の重症血友病A患者に対するエフアネソクトコグ アルファ(組み換えヒト第VIII因子)の定期補充療法は有益か。
アメリカVersiti Blood Research InstituteのMalecら(XTEND-Kids)は、12歳未満の重症血友病A既治療男性患児74名を対象として、同薬の週一回定期補充療法の安全性・効果を検証する第3相非盲検試験を実施した(52週)。
一次エンドポイントは、第VIII因子インヒビターの発生である。
結論
第VIII因子インヒビターは発生せず、有害事象のほとんどは重篤ではなかった。治験責任医師がエフアネソクトコグ アルファに関連していると評価した重篤有害事象はなかった。平均年間出血率中央値は0.00であった。要治療出血事象・自然出血事象・関節内出血事象の不発生率は、患者の各64%・88%・82%であった。43件の出血事象の95%は、1回注射で消滅した。定常状態での平均第VIII因子活性は投与後3日間で>40 IU/dL、最終期での半減期の幾何平均値は、40.0時間であった。
評価
同薬はすでに、12歳以上の重症血友病A既治療患者への有効性を示したXTEND-1結果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2209226)に基づき、FDA承認されている。12歳未満の重症血友病A男性患児を対象としたこの試験は、安全性を一次エンドポイントとしたことが注目され、インヒビター非発生とともに標準製剤に比しての半減期の長さも確認された。コスト次第では標準化されうる。


