バトミントン選手向け3Dプリント摩擦帯電型センサーを用いたモニタリングシステムを開発
Flexible arch-shaped triboelectric sensor based on 3D printing for badminton movement monitoring and intelligent recognition of technical movements
背景
アスリートのパフォーマンス向上のため、ボディエリアネットワーク(BAN)を低電力でモニタリングする摩擦電気ナノジェネレータ(triboelectric nanogenerator:TENG)があるが、従来の3Dプリントをベースとした摩擦帯電型センサー(triboelectric sensor)には、関節を広範囲に曲げたりねじったりした時に不快感を感じるなどの問題がある。
中国Lyuliang UniversityのYangらは、バドミントン選手向けに、3Dプリントをベースとした柔軟なアーチ型摩擦帯電型センサー(flexible arch-shaped triboelectric sensor: FAセンサー)を提案している。ニューラルネットワークアルゴリズムを信号取得モジュールとマスターコンピューターと組み合わせることで、モニタリングのためのインテリジェント マルチセンサノード システムを確立した。
結論
FAセンサーは、弾性TPEシェルとアーチ型設計により、曲げやねじりの動きに高い感度を示した。広範囲にわたる曲げ(10°〜150°)またはねじり(20°〜100°)中の人間の動作への干渉を最小限に抑えた。FAセンサーのピーク出力電圧は曲げ角度と明確な関数関係を示し、それぞれ7.98 mV/°と29.28 mV/°の区分感度を示した。7つの異なる人体部位に対し異なるサイズにすばやくカスタマイズでき、安定した反復可能な応答出力を示した。バドミントン モニタリングシステムは、4つの一般的な技術的動作のリアルタイム フィードバックと認識を可能にし、97.2%の認識精度を達成した。
評価
摩擦帯電型センサーは、材料が接触して互いに滑り合うときに転送される電荷を感知するもので、外部電源を必要としない。FAセンサーは、2.5 gと軽量で、低コストだという。このシステムにより、アスリートはバドミントン技術を全体的にリアルタイムで分析・強化できた。他のスポーツ分野への応用やスポーツ障害の予防も有望である。