腰痛再発予防にはウォーキング:WalkBack試験
Effectiveness and cost-effectiveness of an individualised, progressive walking and education intervention for the prevention of low back pain recurrence in Australia (WalkBack): a randomised controlled trial
背景
腰痛へのウォーキングは有望な方法で、さまざまな検討が行われている。
オーストラリアMacquarie UniversityのPocoviら(WalkBack)は、24時間以上継続した非特異的腰痛から回復した男女成人701名を対象に、腰痛再発予防のための個別化されたウォーキング・プログラムと理学療法士(PT)による教育介入の有効性と費用対効果を検証するRCTを行った(対照:非介入, 最短12ヵ月、最長36ヵ月追跡)。以前からよく運動をしている人や、腰痛の運動療法を受けている人は除外された。
一次アウトカムは、初回再発までの日数で、費用対効果は、得られた質調整生存年(QALY)あたりの増分費用で測定した。
結論
介入は、腰痛再発予防に効果的であった(HR 0.72)。初回再発までの平均日数は、介入群208日、対照群112日であった。介入群は対照群に比し、94%の確率で費用対効果が優れていた。
1QALYあたりの増分費用は7,802豪ドルであった。
12ヵ月間に少なくとも1つの有害事象を経験した参加者数は、介入群と対照群で同様であったが、下肢に関連する有害事象は介入群の方が対照群より多かった(100件 vs. 54件)。
評価
このテーマに関する2018の9RCTのメタアナリシスは、「研究の質は高くないが有効そうである」としていた(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2468781217301820)。大規模で慎重な個別化プログラムにより、有効性・経済性を確立した。参加者は、PTによる教育を月1回受け、6ヵ月後まで最低で週5日毎回30分以上歩くことが目標とされ、必要に応じてPTがプログラムの調整を行った。歩数を記録する歩数計やノートも支給された。著者らは、歩く時間を少しずつ増やす、軽度の痛みを怖がらない、仲間を作る、記録する、再発しても運動を継続することがポイントだとしている。ただし、試験参加者の60%は女性であった。