COPDに血中好酸球マーカーによるデュピルマブ療法:NOTUS
Dupilumab for COPD with Blood Eosinophil Evidence of Type 2 Inflammation
背景
IL-4/13受容体抗体薬デュピルマブは、すでにアトピー性皮膚炎や喘息に使用されている。
アメリカUniversity of AlabamaのBhattら(NOTUS)は、血中好酸球数300/μL以上の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者935名を対象として、同薬の効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ, 52週)。一次エンドポイントは、中等〜重度の増悪の年間発生率である。
結論
デュピルマブの一次エンドポイント効果を認めた(率比 0.70)。気管支拡張薬吸入前のFEV1も実薬で増加した(12週時点で差 82 mL)。SGRQスコアのベースライン変化に群間有意差はなかった。有害事象発現率は2群で同等で、デュピルマブの有害事象は、既知のプロファイルと一致していた。
評価
昨年著者らがNEJMで報告したBOREAS結果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2303951)と本質的には同等で、対象をベースラインですでにトリプル吸入療法を受けている患者に絞ったものである。COPD治療に、明確なバイオマーカーに基づく抗体療法、という新しいコンセプトをもたらす結果である。