多嚢胞性卵巣症候群の女性の肥満手術:BAMBINI
Bariatric surgery for spontaneous ovulation in women living with polycystic ovary syndrome: the BAMBINI multicentre, open-label, randomised controlled trial
背景
肥満の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)女性における肥満手術の排卵に対する有効性は。
サウジアラビア王国Princess Nourah bint Abdulrahman UniversityのAlabdulkaderら(BAMBINI)は、PCOS・肥満・稀発/無月経の女性80名を対象に、肥満手術と薬物療法の排卵率に対する効果・安全性を比較するRCTを行った(年齢中央値:31歳, 79%白人)。
一次アウトカムは、血清中プロゲステロン値測定による52週間の排卵イベント数である。
結論
肥満手術の一次アウトカム効果を認めた(発生率比 2.5)。肥満手術群では薬物療法群より合併症が多かったが、長期的後遺症はなかった。有害事象は手術群の66.7%、薬物治療群の30.0%で発生した。治療関連死亡はなかった。
評価
肥満PCOS女性における生化学的確認排卵に対する肥満手術を薬物治療と比較した初のRCTである。
PCOSに対しては2023年国際エビデンスに基づくガイドラインでも治療選択肢として肥満手術をあげており(https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(23)00719-7/fulltext)、エビデンスレベルを上げる結果といえる。ただし、PCOSに対しては、新規抗肥満薬の効果検証が進められており、有望である(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38355887/)。