フィールド内でのスプリント走のメカニクスを評価する新規スクリーニングツールS-MASを開発
The Sprint Mechanics Assessment Score: A Qualitative Screening Tool for the In-field Assessment of Sprint Running Mechanics
背景
スプリント走等で重要な、ハムストリング肉離れ損傷(HIS)のバイオメカニクスを現場で評価できる新手法が開発された。スプリント・メカニクス・アセスメント・スコア(S-MAS)で、フィールドでの走行を記録したスローモーションビデオを評価する。
イギリスUniversity of SalfordのBramahらは、エリートサッカー選手136名を対象として、同ツールのパフォーマンスを検証し、基準S-MASデータを提示するためのコホート研究を行った。
結論
S-MASは良好な評価者内信頼性(ICC、0.828)および評価者間信頼性(ICC、0.799)を示し、測定の標準誤差は1点であった。個々のスコア項目のκ係数は、ほとんどのパラメータについて、評価者内および評価者間の一致率が75%〜88.8%、評価者間信頼性が66.6%〜88.8%と、中等〜高度の一致を示した。総合得点に有意な性差は認められず、平均値は男性4.2点、女性3.8点であった。
評価
スプリント走に関する現在の評価法は、一般に3Dモーション キャプチャ テクノロジ(3D MoCap)で、コストと時間がかかる。2Dビデオカメラを使用した定性的動作スクリーニング ツールもすでに開発されているが、フィールド内でのスプリント走のメカニクスを評価できるスクリーニングシステムはS-MASが初めてであり、汎用される可能性がある。