マラリア予防のためのモノクローナル抗体L9LS第2相を通過:Mali Malaria mAb
Subcutaneous Administration of a Monoclonal Antibody to Prevent Malaria
背景
マラリア撲滅においてモノクローナル抗体は、ワクチンとともに有力な次世代戦略である。
アメリカNational Institutes of HealthのCromptonら(Mali Malaria mAb)はマリで、6〜10歳の小児に対する新規モノクローナル抗体L9LSの効果・安全性を検証する第2相RCTを行った(n=225, 対照:プラセボ, 6ヵ月間)。パートAで成人への3用量の安全性を評価し、次に小児で2用量の安全性を評価した。パートBでは、小児をL9LS2用量群と対照群に割り付けた。一次有効性エンドポイントは初回熱帯熱マラリア原虫感染である。
結論
パートAで、安全性懸念は認められなかった。L9LSパートBでL9LSの一次有効性エンドポイント効果を認めた(プラセボと比較した熱帯熱マラリア原虫感染に対する有効率は、150 mgで66%、300 mgで70%であった。臨床的マラリアに対する有効率は、同67%・77%であった)。
評価
抗マラリアモノクローナル抗体は、Bill&Melinda Gates財団がバックアップする先進プロジェクトで、流行期に即応して展開できるという、ワクチンに対するアドバンテージがある。第2相で十分な有望性を示したが、新クラスの薬剤で不明点も多く、多重の検証が進められている。