マラリア予防のためのモノクローナル抗体L9LS第2相を通過:Mali Malaria mAb
Subcutaneous Administration of a Monoclonal Antibody to Prevent Malaria

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2024
390
開始ページ
1549

背景

マラリア撲滅においてモノクローナル抗体は、ワクチンとともに有力な次世代戦略である。
アメリカNational Institutes of HealthのCromptonら(Mali Malaria mAb)はマリで、6〜10歳の小児に対する新規モノクローナル抗体L9LSの効果・安全性を検証する第2相RCTを行った(n=225, 対照:プラセボ, 6ヵ月間)。パートAで成人への3用量の安全性を評価し、次に小児で2用量の安全性を評価した。パートBでは、小児をL9LS2用量群と対照群に割り付けた。一次有効性エンドポイントは初回熱帯熱マラリア原虫感染である。

結論

パートAで、安全性懸念は認められなかった。L9LSパートBでL9LSの一次有効性エンドポイント効果を認めた(プラセボと比較した熱帯熱マラリア原虫感染に対する有効率は、150 mgで66%、300 mgで70%であった。臨床的マラリアに対する有効率は、同67%・77%であった)。

評価

抗マラリアモノクローナル抗体は、Bill&Melinda Gates財団がバックアップする先進プロジェクトで、流行期に即応して展開できるという、ワクチンに対するアドバンテージがある。第2相で十分な有望性を示したが、新クラスの薬剤で不明点も多く、多重の検証が進められている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell