COVID-19重症化高リスク外来成人患者に対するニルマトレルビル/リトナビル併用は無益:EPIC-SR
Nirmatrelvir for Vaccinated or Unvaccinated Adult Outpatients with COVID-19

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2024
390
開始ページ
1186

背景

軽〜中等症COVID-19に対するニルマトレルビル/リトナビル併用療法の効果が示されているが、重症化高リスク例では。
アメリカPfizerのHammondら(EPIC-SR)は、これを検証する第2・3相試験を行った(n=1,296、対照:プラセボ)。COVID-19が確定診断され、ワクチン接種を完了し重症化の危険因子を持っている患者、または、重症化の危険因子を有さずワクチン接種を受けていない/過去1年間受けていない患者を対象に、ニルマトレルビル/リトナビルを12時間ごとに5日間投与する群とプラセボを投与する群に割り付けた。
一次エンドポイントは、COVID-19の徴候・症状の持続的な軽減までの時間である。

結論

両群の一次エンドポイントに有意差はみられず、入院または全死原因死亡(二次エンドポイント)発生率も同程度であった。
有害事象の発現率も類似しており、ニルマトレルビル/リトナビル群では味覚障害(5.8%)と下痢(2.1%)が報告された。

評価

EPIC-HR(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35172054/)のポジティブな結果を拡張すべく高リスク患者を対象として行われた、メーカ主導の検証だったが失敗に終わった。問題は解決されず、新たな試験が進行中であるというが、患者が集まるかどうかが問題である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell