巨大軸索ニューロパチーに対する髄腔内遺伝子治療、第1相試験を通過:GAN試験
Intrathecal Gene Therapy for Giant Axonal Neuropathy
背景
巨大軸索ニューロパチーは常染色体潜性遺伝の小児神経変性疾患で、原因はGAN(gigaxoninコード遺伝子)の両アレル機能喪失変異である。
アメリカNational Institutes of Health(NIH)のBonnemannら(GAN試験)は、同小児患者14名を対象として、同疾患の髄腔内遺伝子治療(アデノ随伴ウイルスによる送達:scAAV9/JeT-GAN)の第1相試験を行った。
一次エンドポイントは、安全性である。
結論
4用量(最大用量 3.5×10 14 vg)が試みられた。
中央値68.7ヵ月の観察期間中に、重篤有害事象は48件発現し、1件(発熱)は治療関連の可能性があった。全有害事象682件中129件が治療関連の可能性があった。
一部の用量では、運動機能スコア(MFM-32)他の二次エンドポイントに有益である可能性が示唆された。
評価
この疾患に対する遺伝子治療としても、また髄腔内遺伝子治療としても初めてとなる注目の試験で、第1相試験通過を報告した。著者らは、14名中6名で明確でunexpectedな機能回復がみられたとしており、第2相試験が期待される。