巨大軸索ニューロパチーに対する髄腔内遺伝子治療、第1相試験を通過:GAN試験
Intrathecal Gene Therapy for Giant Axonal Neuropathy

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2024
390
開始ページ
1092

背景

巨大軸索ニューロパチーは常染色体潜性遺伝の小児神経変性疾患で、原因はGAN(gigaxoninコード遺伝子)の両アレル機能喪失変異である。
アメリカNational Institutes of Health(NIH)のBonnemannら(GAN試験)は、同小児患者14名を対象として、同疾患の髄腔内遺伝子治療(アデノ随伴ウイルスによる送達:scAAV9/JeT-GAN)の第1相試験を行った。
一次エンドポイントは、安全性である。

結論

4用量(最大用量 3.5×10 14 vg)が試みられた。
中央値68.7ヵ月の観察期間中に、重篤有害事象は48件発現し、1件(発熱)は治療関連の可能性があった。全有害事象682件中129件が治療関連の可能性があった。
一部の用量では、運動機能スコア(MFM-32)他の二次エンドポイントに有益である可能性が示唆された。

評価

この疾患に対する遺伝子治療としても、また髄腔内遺伝子治療としても初めてとなる注目の試験で、第1相試験通過を報告した。著者らは、14名中6名で明確でunexpectedな機能回復がみられたとしており、第2相試験が期待される。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell