食物アレルギー治療にオマリズマブ?:OUtMATCH試験
Omalizumab for the Treatment of Multiple Food Allergies
背景
食物アレルギーには未だ決め手となる薬剤がない。
アメリカJohns Hopkins UniversityのWoodら(OUtMATCH)は、180名のピーナッツおよび2種類以上の試験で定められた食品にアレルギーのある患者を対象として、オマリズマブの効果・安全性を検証する第3相RCTの第一段階の結果を報告している。
参加者をオマリズマブ群とプラセボ群に割り付け、2~4週ごとに1回、16~20週間皮下投与し、その後負荷試験を行った。一次エンドポイントは、ピーナッツ蛋白を1回600 mg以上、用量制限のある症状を伴わずに摂取すること、である。
結論
オマリズマブの一次エンドポイント対する効果を認めた(67% vs.7%)。二次エンドポイントでも実薬群が優った。実薬群の注射部位反応が多かった以外には、安全性の群間差はなかった。
評価
すでに汎用され、安全性には懸念が少ないオマリズマブの適応拡大試験で、堅固な有効性を示した。FDAとは二段階試験を行うことで合意していると言うが、第二段階の内容は明示されていない。おそらく、規模の拡大や経口免疫療法(OIT)の補助療法としての用法や対象年齢の拡大が主題となるとみられるが、無期限に注射を続けなければならないのか否かも、大きな問題である。