尋常性乾癬への経口IL-23受容体拮抗ペプチド薬JNJ-77242113、第2相を通過:FRONTIER 1試験
An Oral Interleukin-23-Receptor Antagonist Peptide for Plaque Psoriasis
背景
モノクローナル抗体の開発は乾癬治療に大きな革新をもたらしたが、すべて注射薬である。JNJ-77242113は、インターロイキン(IL)-23のシグナル伝達と下流のサイトカイン産生を選択的に遮断する経口ペプチド薬である。
カナダInnovaderm ResearchのBissonnetteら(FRONTIER 1)は、中等〜重度の尋常性乾癬患者255名を対象として、同薬の安全性・有効性を検証する第2相用量設定試験を行った。患者を3種の用量(25mg、50mg、100mg)・2種の投与回数(1日1回、1日2回)群とプラセボに割り付けた。
試験期間は16週、一次エンドポイントは、16週時点での乾癬面積・重症度指数(PASI)スコアのベースラインからの75%以上の減少した患者割合(PASI 75達成)である。
結論
ベースラインのPASIスコアの平均は19.1であった。JNJ-77242113群(25 mg 1日1回投与群 37%、25 mg 1日2回投与群 51%、50 mg 1日1回投与群 58%、100 mg 1日1回投与群 65%、100 mg 1日2回投与群 79%)で一次エンドポイントが達成され(プラセボ群 9%)、有意な用量反応関係も示された。
高頻度の有害事象は新型コロナウイルス感染症・鼻咽頭炎であったが、有害事象発現率にプラセボとの有意差はなかった。
評価
Janssenの創薬で、薬剤の経口製剤化技術の進歩を示す注目すべきペプチド薬である。主要薬ではセマグルチドが切り開いた方向性であり、多分野に広がると期待される。既存の抗体実薬との直接比較試験も注目される。