小児・青少年の急性脳震盪後の身体活動の最適量は:コホート研究
Optimal Volume of Moderate-to-Vigorous Physical Activity Postconcussion in Children and Adolescents
背景
小児・青少年の脳震盪後、初期の中高強度身体活動(MVPA)の最適量と、その後の症状負担との関連性は。
カナダUniversity of OttawaのLedouxらは、急性脳震盪後48時間未満の年齢10〜17歳の参加者456名を対象に実施されたRCTのデータを使用した多施設コホート研究により、脳震盪後2週間の累積MVPA(cMVPA)と、脳震盪から1週間・2週間・4週間後の症状の負担との関連と、cMVPAと脳震盪から2週間後および4週間後の症状持続確率(PSAC:persisting symptoms after concussion)との関連を検討した。
一次アウトカムは、Health and Behavior Inventory(HBI)使用による、脳震盪後1週間・2週間・4週間時点での脳震盪後の症状の負荷の自己報告である。
結論
267名(年齢中央値12.9歳)が分析に含まれた。脳震盪後2週間のcMVPAがより多い参加者は、受傷1週後(75パーセンタイル vs. 25パーセンタイル, 差-5.45)および2週後(差-2.85)のHBIスコアが低かったが、受傷後4週ではそうではなかった。
脳震盪後1週間/2週間のcMVPAにおける症状の負担は、cMVPAの75パーセンタイルを超えては低くならなかった。cMVPAの75パーセンタイルと25パーセンタイルとPSACの関連性のオッズ比は、2週後において0.48であった。
評価
MVPAは子供や若者の症状を一定程度軽減するが、それを超えても効果は頭打ちになる、という結論である。
脳震盪後の小児患者への安静は現在推奨されないが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37073681/)、最適活動量はガイドライン化が必要である。