ニーマンピック病C型にN-アセチル-L-ロイシン(NALL)登場
Trial of N-Acetyl-l-Leucine in Niemann-Pick Disease Type C
背景
希少疾患ニーマンピック病には決め手となる薬剤がない。
スイスUniversity Hospital BernのBremova-Ertlらは、4歳以上の遺伝学的に確認された60名のニーマンピック病C型患者を対象として、N-アセチル-L-ロイシン(NALL)の安全性・有効性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ, 12週間)。
一次エンドポイントは、運動失調評価尺度(SARA 0〜40)の合計スコアである。
結論
NALLの一次エンドポイントに対する効果を認めた(最小二乗平均差 -1.28 ポイント, P<0.001)。臨床全般改善度(CGI-I)のスコア、脊髄小脳失調症機能指標(SCAFI)のスコア等の二次エンドポイントに対する効果も認めた。
有害事象の発現率に群間差はなく、重篤な治療関連有害事象もなかった。
評価
N-アセチル-dl-ロイシンがめまい治療薬として使われるが、NALLはIntraBioの開発で、他の小脳疾患にも有望とされる。長期効果が確認されれば、ニーマンピック病C型での承認は確実と思われるが、他疾患への試みが加速されることになる。他方、現在不明な作用機序の解明が重要である。