遺伝性血管性浮腫に対するCRISPR-Cas9生体内遺伝子編集治療は有望
CRISPR-Cas9 In Vivo Gene Editing of KLKB1 for Hereditary Angioedema

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
January 2024
390
開始ページ
432

背景

CRISPR-Cas9遺伝子編集治療が進展している。
ニュージーランドAuckland City HospitalのLonghurstらは、遺伝性血管性浮腫成人患者10名を対象として、カリクレインB1コード遺伝子KLKB1を標的化する生体内遺伝子編集治療NTLA-2002の安全性と、用量を検証する第1・2相試験の結果を報告している。
一次エンドポイントは、NTLA-2002の安全性と副作用プロファイル、二次エンドポイント・探索的エンドポイントは、薬物動態・薬力学・臨床的有効性である。

結論

25 mg/50 mg/75 mg の用量を検討した。全用量での高頻度の有害事象は、注入反応・疲労であった。用量制限毒性、重篤な有害事象、グレード3以上の有害事象、臨床的に重要な臨床検査所見はなかった。
ベースライン評価から最新評価の間における、血漿総カリクレイン濃度の用量依存的減少を確認した(75 mg群で-95%)。全患者における、1ヵ月あたり発作回数のベースライン時からの変化の平均は-95%であった。

評価

Intellia Therapeuticsの創薬で、 TTRアミロイドーシスへのNTLA-2001(transthyretin amyloidosis )に続くものである。脂質ナノ粒子(LNP)で、2遺伝子編集システムを肝に送達して生体内編集させる。第1・2相は順調に見え、有望である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell