性腺機能低下症男性へのテストステロン療法に骨折リスク:TRAVERSE試験
Testosterone Treatment and Fractures in Men with Hypogonadism
背景
テストステロン投与が、性腺機能低下症等さまざまな文脈で行われている。
アメリカUniversity of PennsylvaniaのSnyderら(TRAVERSE)は、性腺機能低下症の中高年男性に対するテストステロン投与の心血管効果を評価したTRAVERSE試験のサブ解析として、同療法の骨折リスクを検討した(n=5,204)。
結論
追跡期間中央値3.19年で,臨床的骨折は、テストステロン群の3.50%、プラセボ群の2.46%に発生した(HR 1.43)。他のどの骨折エンドポイントについても、テストステロン群のほうが発生率が高かった。
評価
MACEを一次エンドポイントとした本試験の結果は、「非劣性だが優越しない」というものであった(https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2215025)。このサブ解析での骨折リスク増、という結果はTRAVERSEアプローチを却下するとともに、テストステロン補充一般のリスクを示すものとなった。NEJM Editorialは、Breaking Newsとしている。


