パーキンソン病患者のすくみ回避にロボットウェアが有望
Soft robotic apparel to avert freezing of gait in Parkinson’s disease
背景
すくみ足(FoG)は、パーキンソン病(PwPD)の主要な運動障害だが、効果的な治療法がない。
アメリカHarvard UniversityのWalshらは、股関節の屈曲を強化する柔らかいロボットウェア(soft robotic apparel)を使用してFoGを回避できるという概念の実証のためにN-of-1試験を行った。
このロボットウェアはケーブル駆動のアクチュエーターとセンサーを使用しており、生体筋肉と連携して補助モーメントを発生させる。
結論
6ヵ月にわたって5回の繰り返し測定を行った。
1日に10回以上FoGを発症する73歳のPwPD男性患者が、ロボットウェアに対する強い反応を示した。補助があると、室内歩行中にFoGが瞬時に解消され(補助なしの場合は、FoGに費やされる時間は0% vs. 39%)、補助なしの歩行と比較して49 ± 11 m(+55%)遠くまで歩行でき、より速い速度(+0.18 m s−1)が得られ、歩行の質の改善(歩行変動 −25%)が得られた。
FoG ターゲティング効果は複数の日に渡って再現可能であり、状況や環境状況を誘発し、地域社会での使用の可能性を示した。
評価
すでに脳卒中後患者に対して広く試みられているアプローチで(https://www.bu.edu/bostonia/2018/medical-exosuit-helps-stroke-patients-walk-again/)、N-of-1試験でPwPD患者に対する有望性を確認した。すでにライセンスが取得されており、以降の急激な進展が期待される。