IgA腎症患者に対する抗APRIL薬sibeprenlimabは有望:ENVISION第2相試験
A Phase 2 Trial of Sibeprenlimab in Patients with IgA Nephropathy

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
January 2024
390
開始ページ
20

背景

IgA腎症の治療には決め手がない。
アメリカVisterraのMathurら(ENVISION)は、新規増殖誘導リガンド(APRIL)阻害薬sibeprenlimabの効果・安全性を検証する第2相RCTを行った(対照:プラセボ)。
患者は、生検による確定診断で標準治療を受けているにもかかわらず、疾患進行のリスクが高い成人155名、一次エンドポイントは、12ヵ月時点での尿蛋白/クレアチニン比(uPCR)のベースラインからの変化である。

結論

Sibeprenlimabの一次エンドポイントに対する効果を認めた(8 mg群:62.0% vs. 20.0%)。二次エンドポイントであるeGFRのベースラインからの変化には有意差はなかった。また、有害事象発現率に群間有意差はなかった。

評価

Visterraが創薬した期待の抗APRIL薬である。一次エンドポイントのuPCRへの効果が確認されたものの、eGFRへの効果がなく、疑問も残る。第3相の結果が注目される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell