IgA腎症患者に対する抗APRIL薬sibeprenlimabは有望:ENVISION第2相試験
A Phase 2 Trial of Sibeprenlimab in Patients with IgA Nephropathy
背景
IgA腎症の治療には決め手がない。
アメリカVisterraのMathurら(ENVISION)は、新規増殖誘導リガンド(APRIL)阻害薬sibeprenlimabの効果・安全性を検証する第2相RCTを行った(対照:プラセボ)。
患者は、生検による確定診断で標準治療を受けているにもかかわらず、疾患進行のリスクが高い成人155名、一次エンドポイントは、12ヵ月時点での尿蛋白/クレアチニン比(uPCR)のベースラインからの変化である。
結論
Sibeprenlimabの一次エンドポイントに対する効果を認めた(8 mg群:62.0% vs. 20.0%)。二次エンドポイントであるeGFRのベースラインからの変化には有意差はなかった。また、有害事象発現率に群間有意差はなかった。
評価
Visterraが創薬した期待の抗APRIL薬である。一次エンドポイントのuPCRへの効果が確認されたものの、eGFRへの効果がなく、疑問も残る。第3相の結果が注目される。