女子サッカープロ選手の20%が健康問題をかかえている
#ReadyToPlay: health problems in women's football-a two-season prospective cohort study in the Norwegian premier league
背景
女子サッカーが近年発展しているが、プロの女子選手における健康問題は。
ノルウェーInstitute of Sports MedicineのAmundsenらは、同国トップカテゴリーであるノルウェー・プレミアリーグ女子サッカー11チーム、294名の選手(平均年齢22歳)を対象に、2020年と2021年のシーズン中、毎週すべての健康上の問題(外傷・障害の突発性発症、外傷・障害、および疾病の緩徐発症)に関するアンケートを行った。
Sport Medicine Diagnostic Coding System(SMDCS)を使用して報告された問題を診断し、全健康問題の週平均有病率・発生率・負担を評価した。
結論
アンケートへ回答率は79%であった。 平均して、選手の32%が常に少なくとも1つの健康上の問題を報告し、22%がトレーニング量やパフォーマンスに悪影響を与える重大な健康上の問題を報告した。発生頻度は、サッカーを行った1,000時間あたり10.7件であった。突発性発症の外傷・障害が最も重度であり(time lossの68%)、次に緩徐発症の外傷・障害(25%)と疾病(8%)が続いた。最も一般的な負傷箇所は大腿部(26%)だったが、膝の負傷が最も重篤で、 total injury time lossの42%を引き起こした。前十字靭帯(ACL)損傷だけでも、30%のtotal injury time lossとなる。
5人に1人が、トレーニング量やパフォーマンスに悪影響を与える健康上の問題を抱えていた。
評価
男子サッカー選手に関するデータはあるが、これは女子サッカープロ選手に特定した初めての調査とみられる。女子サッカー選手では、すでに前十字靭帯損傷の高リスクが問題になっており、この調査でも同様の結果が出ている。正確な理由は不明で、他の外傷も含め、さらなる研究が急務である。