成人に対する遺伝子組換えインフルエンザワクチンの有効性は明らか
Recombinant or Standard-Dose Influenza Vaccine in Adults under 65 Years of Age

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
December 2023
389
開始ページ
2245

背景

4価遺伝子組換えインフルエンザワクチンの、鶏卵使用のインフルエンザワクチンへの優越性が明かになりつつある。
アメリカKaiser Permanente Vaccine Study CenterのKleinらは、高用量遺伝子組換えインフルエンザワクチンと標準用量インフルエンザワクチンの有効性・安全性を比較するクラスターRCTを行った(n=1,630,328[18~64歳])。ワクチンは各施設で1週間ごとに入れ替えた。
一次アウトカムは、PCR確認によるインフルエンザ(A/B)感染である。

結論

高用量遺伝子組換えワクチンの標準用量ワクチンに対する一次アウトカム優位を認めた(相対的ワクチン有効率:15.3%)。同一年齢群におけるインフルエンザAに対する相対的ワクチン有効率は15.7%であった。インフルエンザ関連入院への予防効果に差はなかった。

評価

SanofiのFlublok Quadrivalent で、すでに承認済みで広く使用されている。この報告は2018~2019および2019~2020の2シーズンでのリアルワールドデータであり、初めて標準ワクチンとの大規模な直接比較を実現した。効果差は明らかだが幅は小さく、入院・死亡には影響がない。ただちに標準ワクチンを置換するとはみられない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell