分娩中のオキシトシン中断は是か非か
Impact of discontinuing oxytocin in active labour on neonatal morbidity: an open-label, multicentre, randomised trial
背景
分娩中におけるオキシトシン投与の減量・中断の可否には、結論がない。
フランスUniversite Paris CiteのGiraultらは、子宮口が4cm開く前にオキシトシンを投与された妊婦を対象として、拡張が6cmを超えた場合に投与を中止するグループと、その後も投与を継続するグループを比較する多施設・非盲検・RCT(優越性試験, n=2,170)を施行した。
一次エンドポントは、新生児の罹患率である。
結論
両群に一次エンドポイントにおける有意差を認めなかった。
評価
長い問題で多くの研究があるが、2018のCochrane報告は、エビデンスの質が悪く良質のRCTが必要、としていた(https://www.icarectg.com/wp-content/uploads/2023/04/CD012274.pdf)。 このフランス研究は大規模で、非盲検はありうる選択と言え、Cochrane報告が強調していた母子死亡率や母の満足率、母乳哺育率、児の長期アウトカムに言及していない。「有意差なし」を最終結論に傾けたが、確定したものとも認めがたい。