胚・卵子にストレスを与えない安定した環境を提供し、妊娠率向上に貢献 生殖補助医療用培地「Vit Kit-Freeze NX」「Vit Kit-Warm NX」新発売

富士フイルム和光純薬株式会社
2020年1月31日

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)の米国子会社で、細胞培養に必要な培地のリーディングカンパニーであるFUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(社長:山口 豊)は、生殖補助医療用培地「Vit Kit-Freeze NX」「Vit Kit-Warm NX」を、1月31日より富士フイルム和光純薬株式会社(社長:白木 一夫)を通じて発売いたします。
「Vit Kit-Freeze NX」は、胚(受精卵)・卵子を凍結するための培地、「Vit Kit-Warm NX」は、それらを融解するための培地です。

生殖補助医療は、不妊治療法の1つで、体外で卵子や精子、胚を取り扱い、妊娠を成立させることを目的とした治療法です。現在、生殖補助医療では、体外に取り出した卵子に精子を受精させて培養した胚(ヒト胚)を凍結・保存し、適切なタイミングで融解して子宮に移植する治療が行われています。また、この治療プロセスにおいて、体外に取り出した卵子をそのまま使用せずに、その卵子を一旦凍結・保存し、受精させるタイミングで融解して用いるケースもあります。このような中、妊娠率を向上させていくためには、生殖補助医療の一連のプロセスで、胚・卵子にストレスを与えない安定した環境を保つことが重要であると言われています。

今回発売する「Vit Kit-Freeze NX」「Vit Kit-Warm NX」は、ヒト胚を効率的に培養するための当社ヒト胚培養用培地「Continuous Single Culture Medium」を基礎培地*1に採用した、胚・卵子の凍結・融解用培地です。従来、これらの多くは基礎培地にニワトリ胚線維芽細胞用培地を使用しているため、胚培養と胚・卵子の凍結・融解のプロセスで培地の主要成分が異なっていましたが、「Vit Kit-Freeze NX」「Vit Kit-Warm NX」は主要成分を統一することで、培地環境の変化による胚・卵子への影響を軽減します。
また「Vit Kit-Freeze NX」「Vit Kit-Warm NX」は、二重緩衝剤(2種類の緩衝剤)を用いることで、より安定したpH環境下で胚・卵子を凍結・融解することが可能。培養器外で胚・卵子を取り扱うための当社体外操作用培地「Multipurpose Handling Medium」にも二重緩衝剤を使用しており、同製品との組み合わせで、生殖補助医療プロセスにおいて胚・卵子に適した環境を保つことができます。
「Vit Kit-Freeze NX」「Vit Kit-Warm NX」は、胚・卵子にストレスを与えない安定した環境を提供でき、妊娠率向上に寄与します。

当社は、生殖補助医療以外にも、バイオ医薬品製造や細胞治療の領域で培地の幅広いラインアップを保有しています。今後、当社が持つ高度な培地技術のみならず、富士フイルムグループのバイオ医療関連技術を融合させることで、競争力の高い高機能培地を開発・提供し、生殖補助医療の質の向上やバイオ医薬品の新薬創出、再生医療の産業化の促進に貢献していきます。

*1 細胞培養に必要となる基本的な栄養成分(グルコース、アミノ酸など)を含んだ培地。細胞の種類や培養目的ごとに異なる機能成分を加えて使用される。



1.製品名
生殖補助医療用培地
「Vit Kit-Freeze NX」(胚・卵子の凍結用培地)、「Vit Kit-Warm NX」(胚・卵子の融解用培地)

2.発売日
2020年1月31日

3.製品の特長
(1)基礎培地にヒト胚培養用培地を採用
胚・卵子の凍結・融解用培地の多くで使用されているニワトリ胚線維芽細胞用培地ではなく、ヒト胚を効率的に培養するための当社ヒト胚培養用培地「Continuous Single Culture Medium」を基礎培地に採用。胚培養と胚・卵子の凍結・融解のプロセスで培地の主要成分を統一することができ、培地環境の変化による胚・卵子への影響を軽減します。
(2)二重緩衝剤(2種類の緩衝剤)を採用
二重緩衝剤を採用することで、より安定したpH環境下で、胚・卵子を凍結・融解することが可能。培養器外で胚・卵子を取り扱うための当社体外操作用培地「Multipurpose Handling Medium」にも二重緩衝剤を使用しており、同製品との組み合わせで、生殖補助医療プロセスにおいて胚・卵子に適した環境を保つことができます。

【お問い合わせ先】
富士フイルム和光純薬株式会社 ART営業課
TEL 03-6225-2562

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