肝疾患の早期発見・治療精度向上を支援する「肝疾患ソリューション」の開発・提供を強化

〜患者負担の少ない低侵襲の診断や治療の普及を目指す〜

GEヘルスケア・ジャパン株式会社
2014年4月14日

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長兼CEO:川上潤)は、国内外で増加する肝疾患の早期診断や低侵襲治療の普及に貢献していくために、肝疾患に関するGEヘルスケアグローバルの中核拠点(Center of Excellence: CoE)として、肝疾患ソリューションの開発・提供をさらに強化していくことを、4月12日(土)、2014国際医用画像総合展(ITEM)において発表しました。開発の早い段階で医療現場の声を取り入れ改良を加えていくFastWorks※1の手法の導入や営業体制の強化を行い、現在約300件の関連製品国内導入実績を、2017年までに1,000件に増やすことを目指します。

GEヘルスケア・ジャパンは、超高齢社会における医療課題解決のためのソリューションを提供するという戦略(Silver to Gold)の下、疾患全体にフォーカスし、その診断・治療において最適な製品群やサービスを組み合わせた総合的なソリューションの提供を行う「疾患領域アプローチ」を柱の一つとして進めてきました。肝疾患の診断・治療・経過観察の一連の診療過程においては、複数の装置や薬剤を組み合わせて使用するケースが多くなっていることから※2、これら一連のワークフローに最適なソリューションの重要性が高まっています。そうした背景を受け、GEヘルスケア・ジャパンは、GEヘルスケア全体での肝疾患ソリューション開発を推進するCoEとして、2012年より活動を開始。グローバルの製品開発・研究拠点との課題共有や連携強化、学会等で発表された新たな診療技術情報の医師・技師へ向けた発信など、肝疾患診療の質の向上および患者さんへの負担軽減に積極的に取り組んできました。

また、出血などの合併症を伴う危険性のある生検ではなく、非侵襲的に肝臓の相対的な硬さを評価できる国内初の新技術として米メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)と共同開発したMRI(磁気共鳴断層撮影装置)用エラストグラフィ技術「MR Touch(エムアールタッチ)※3」や、超音波画像と他モダリティ画像をフュージョン表示し客観性を補うことのできる「Volume Navigation(ボリュームナビゲーション)」などのソリューションを通じ、肝疾患の早期診断や治療精度向上に貢献してきました。これらをはじめとする肝疾患関連の製品やソリューションは、臨床現場における高い有用性や応用可能性が認められ、現在、国内での導入件数は300を超えています。

高齢化のさらなる進展や生活習慣等の変化に伴い、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む慢性肝疾患が増加する中で、患者負担の少ない非侵襲的な診断手法や、発見された疾患をより安全かつ正確に、そして迅速に治療する技術がさらに求められています。GEヘルスケア・ジャパンは、今後、FastWorksの手法を取り入れ臨床現場のニーズをより反映させた肝疾患ソリューションの開発に注力していくとともに、新たな臨床情報の効果的な提供などを通じたそれらソリューションのさらなる普及により、肝疾患領域での貢献を継続していきます。


■ 肝疾患の現状
現在の国内の慢性肝炎患者数は約200万人で、B型・C型ウイルス性肝炎が約8割を占める※4。このうち肝硬変に進むのは40万人で、B型・C型ウイルス性肝炎からの移行が7割を占める※5。肝硬変が進んだ肝がんの死亡者数は年3万5,000人で,がんによる死亡者数の第4位となっている※6
肝疾患の罹患率は特にアジア人に多く,世界の肝がん患者の約8割はアジア人が占めている。また国内では肝炎罹患者の高齢化や生活習慣の変化などから、肝がんの発がん年齢の平均値が1986年〜1990年の62歳から、2001年〜2005年には69歳へと1割以上も高まるなど、肝がん患者の高齢化が進んでおり※7、より一段と低侵襲な診断・治療が求められている。

■ GEヘルスケアの肝疾患ソリューション

MR Touch
肝臓の相対的な硬さを評価するエラストグラフィ技術。硬さを調べる事で、肝臓の線維化診断に有用。


Volume Navigation
超音波画像と他モダリティ画像をフュージョン表示する機能。これにより超音波の弱点として知られる検査者依存性や客観性を補うことが可能。


FlightPlan for Liver
循環器用X線透視診断装置で造影撮影された肝臓の血管を3D表示し、操作者が指定したターゲットにつながる血管を色付けする機能。TACEのWorkflowの改善が可能。


Virtu TRAX
RFA用針にセンサーを取り付け、針先位置がバーチャルグラフィック表示で把握できるアプリケーション。肝癌の正確な治療をサポート。


XDclear プローブ (C1-6 probe)
シングルクリスタル採用のコンベックスプローブ。従来プローブよりもペネトレーションと分解能の向上が図られ、慢性肝疾患の診断、肝癌の診療における利用が期待される。


※1 製品開発の初期段階や試作の段階で顧客のフィードバックを得ることで、より市場や顧客のニーズに近い完成品を生み出すためのGEのイニシアチブ。
※2 肝疾患の診療過程では、発見・診断・進行度確定においては、造影剤を使用した超音波診断装置やCT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)を使用し、治療の段階では、超音波診断装置によるガイド下のラジオ波焼灼治療(RFA)や、血管造影撮影装置(アンギオ装置)撮影下の冠動脈科学塞栓術(TACE)を施し、治療後はCTやMRI、超音波装置などで経過観察を行うケースが多い。
※3 MR Touchは2014年4月現在国内28施設で導入され、データ取得症例は3,700を超える。
※4 出典:肝炎対策推進室
※5 出典:日本肝臓学会2011
※6 出典:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター(2009)
※7 出典:矢倉道泰 et al (2007) "肝臓 48巻12号 598-603"

その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器認証番号は以下の通り

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