国内開発・製造の臨床用CTの最新モデル3機種を同時発売
臨床用CTのラインアップを拡充し、多様化する医療機関のニーズにきめ細やかに対応 最上位機種と同じ心臓撮影機能搭載装置と「患者さんへの優しさ」をさらに追求した新モデル
- GEヘルスケア・ジャパン株式会社
- 2013年4月8日
医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、社長:川上潤)は本日4月8日(月)、国内の医療機関の声をもとに日本で開発・製造した臨床用コンピューター断層撮影装置(CT)「Optima CT660」シリーズの最新3機種を発売します。
今回発売するのは、最上位の「Discovery」シリーズと同じ先進の心臓撮像機能を搭載した「Optima CT660 Discovery Edition(オプティマ・シーティー660・ディスカバリー・エディション)」。ならびに新たな 「Caring Design & Advanced Performance」 コンセプトをもとに、患者さんへの優しさや幅広い臨床応用、優れた経済性をさらに追求した「Optima CT660 Advance」シリーズ2機種(「Optima CT660 Pro Advance(オプティマ・シーティー660・プロアドバンス)」と「Optima CT660 Advance(オプティマ・シーティー660・アドバンス)」)です。
当社は国内に開発・製造拠点を持つ優位性を生かし、近年日本の医療機関の声を反映した製品・サービスを国内で開発・製造し、国内市場のみならず全世界に向けて展開する「In Japan For Global(日本発、世界へ)」戦略を積極的に推進しています。Optima CT660シリーズは同戦略の代表機種として、2010年4月の発売以来、すでに全世界で約1,200台の受注を獲得し、当社製CT最速の受注記録の更新を続けています。
今回発売する3機種は、このOptima CT660シリーズの最新モデルで、多様化する臨床現場のニーズに一段ときめ細やかに応える先進機能を追加したハイエンド臨床装置です。
当社は4月12日(金)〜14日(日)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される2013国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2013)において、これらの3製品の実機や撮影画像を展示します。
Optima CT660 Discovery Edition
Optima CT660 Discovery Editionは、大学病院や地域中核病院などでの臨床応用が進む心臓や冠動脈の撮像精度を高めた臨床用CT。
主に先進的な研究用装置として導入されている最上位機種Discovery CT750 HD FREEdom Edition(2011年4月発売)と同じ心臓撮影機能を搭載し、動きの影響(モーションアーチファクト)の抑制を図ったほか、撮影前の条件選択から撮影後の画像処理までの時間を短縮し、検査効率を高めた装置です。
現在の心臓CT撮像の課題:動きの制御と総検査時間の短縮
近年のマルチスライスCTの進化に伴い、これまで難しかった心臓および冠動脈の撮像が可能となり、大学病院や地域中核病院など先進的な医療を手がける医療施設を中心に臨床応用が進められています。心臓を高精細に撮像するには、いかに動きを制御するかが当初からの課題であり、これまでは心臓の動きより高速撮像するか、あるいは動きが止まる一瞬で心臓全体を撮像するかといった対策が試されてきました。しかしながら、冠動脈は各々の血管が立体的に位相をずらして動いており、現時点ではその動きを完全に制御するには至っておらず、ひいては位相が不規則な不整脈にも十分な対応がなされていません。
また心臓検査においては、撮影自体は通常10秒以内で完了しますが、撮影前の条件選択や撮影後の画像処理に多大な時間を費やしており、検査プロセス全体の時間短縮が求められていました。
動きの影響の抑制と総検査時間の短縮を実現するOptima CT660 Discovery Edition
このような中、最上位機種に搭載された撮像機能を標準搭載することで、事前の撮影条件(プロトコル)の選択から撮影後の画像構成や画像解析までを自動化し、動きの影響の抑制と総検査時間の短縮を実現したのがOptima CT660 Discovery Editionです。
血管の動きに対しては、拍動する心臓の動画像から動きを取り除いた静止画像を生成する「SnapShot Freeze(スナップショット・フリーズ)」機能を新たに搭載。冠動脈画像から血管の動きやブレなどを認識し、モーションアーチファクトの対象となっていた血管を本来あるべき姿に補正した上で画像化します。このデジタルカメラの手ぶれ補正に近い手法で、動きの抑制された高精度の心臓撮像を実現します。
心臓自体の動きの原因となる高心拍や不整脈に対しては「SnapShot Assist(スナップショット・アシスト)」機能を搭載、撮影前の心電波形から心拍レートや不規則性を読み取り、自動で最適な撮影プロトコルを選択できるようにしました。また、画像処理ワークステーションAWXTと連動することで、再構成画像をもとにした心血管解析画像処理の自動化を実現しました。
これらの機能性を誇るOptima CT660 Discovery Editionは、不整脈や高心拍の症例をふくめて、より精度の高い心臓検査を可能にするほか、事前の撮影条件の選択から撮影後の画像構成・解析までの時間を短縮すると期待されています。また高心拍の患者さんの場合、検査前に心拍を抑えるβブロッカーを投与するのが一般的ですが、SnapShot Freezeを搭載したOptima CT660 Discovery Editionでは高心拍の症例にも対応できるため、βブロッカーの使用率低下につながると見込まれています。
当社は、現在の心臓CTが抱える課題克服を目指したOptima CT660 Discovery Editionを、心臓領域の診断・治療に取り組む大学病院や地域基幹病院を主対象に積極的に販売することで、心臓CT分野におけるリーディングカンパニーとなることを狙います。また、Optima CT660 Discovery Editionの発売で、急速に普及しつつある心臓CT検査全体の信頼性を一段と高め、心臓疾患の除外診断*1への貢献、ならびに不要な検査の削減による患者さんの負担軽減に寄与することを目指します。
Optima CT660 Pro Advance / Optima CT660 Advance
Optima CT660 Pro AdvanceとOptima CT660 AdvanceのOptima CT660 Advanceシリーズ2機種は、2012年4月に発売したOptima CT660 FDシリーズの後継機種。世界各国の医療機関に定評のある機能性を継承しつつ、新たな 「Caring Design & Advanced Performance」 コンセプトを掲げて、患者さんへの優しさや幅広い臨床応用、優れた経済性を一段と追求したモデルです。
Optima CT660 Advanceシリーズは、この新コンセプトのもと、さらなる国内外の医療機関の臨床ニーズに応える3つのAdvanced Care ソリューションを提供します。
・Advanced Clinical Care:500列に相当する広範囲撮像の実現による幅広い臨床応用
・Advanced Patient Care:被ばく低減や検査の短時間化による患者さんの負担軽減
・Advanced Hospital Care:医療機関の経営課題解決に貢献する高い経済性
Advanced Clinical Careを実現するのが、検出器の列数を増やすことなく、500列相当の広範囲の連続往復撮像を可能にする「Volume Helical Shuttle(ボリュームヘリカルシャトル)」機能です。同技術は従来難しかった患者テーブルの加速・減速時のデータ収集を可能とすることで、最大312.5mmの広範囲撮像を実現しました。本機能の標準搭載で、関節や血管の拍動など動きを伴う領域の観察に高い有用性を誇ると期待されています。
Advanced Patient Careを実現するのが、被ばく低減やワークフローの効率化に役立つ各種機能です。被ばく低減では、逐次近似を応用した画像再構成法であるASiR(Optima CT660 Pro Advanceのみに搭載)やAiNR、体前面からのX線量を自動的に低減する「Organ Dose Modulation(オーガン・ドーズ・モデュレーション):ODM」機能を搭載。ASiRでは従来と同等の画質であれば最大40%の被ばく量削減が可能で、高画質と被ばく低減の両立を実現、ODMでは目の水晶体や乳房といった放射線感受性の高い臓器の表面被ばく量をOptima CT660シリーズに比べて最大40%低減し、患者さんの負担を和らげます。またワークフロー改善に貢献するのが、ガントリー上部に設置したモニターを使用して、患者さんの情報入力から位置決め、撮影プロトコルの選択・撮影開始までの全プロセスを撮影室内で完了可能な「In Room Scan(インルームスキャン)」機能です。これまでのような撮影室と操作室の行き来をなくし、患者さんのそばに寄り添いながら撮影準備を進められるため、患者さんの安心感を高めるとともに、一般X線撮影のようなスピーディーなワークフローを実現します。
Advanced Hospital Careを実現するのが、そのコンパクト性とランニングコストの低さです。Optima CT660 Advanceシリーズの最小設置面積は3m(縦) x 5m(横)と当社製64列CTに比べて約12〜24%小さくて済みます。またこれまでの64列CTの必要電源容量は150kvAでしたが、同装置では16列以下のCTと同じ75kvAで済むため、これまで16列以下のCTを使用していた医療機関も検査室の改修や電源工事をすることなくOptima CT660 Advanceシリーズに切り替え可能です。さらに、夜間や休日の待機電源を抑える機能を搭載することで、従来の当社製装置に比べて電気代を6割節約、医療機関のコスト削減に貢献すると見込まれています。
当社は今回発売するOptima CT660 Advanceシリーズを、検診や救急などをはじめ、より幅広い診療科の臨床現場のニーズに高い次元で応える国内開発・製造装置として、全国の中・小規模病院の買い替え、ならびに大学病院や地域基幹病院の買い増しを主対象に発売します。
当社は、1998年に世界初*2のマルチスライスCT「LightSpeed QX/i」を発売して以来、2008年10月にCTで初めてガーネットを使用した「Gemstone」検出器を搭載し、医療機関からのニーズが最も高いスライスごとの分解能の大幅な向上を実現した「Discovery CT750 HD」、2011年4月に一般X線撮影並みの低被ばくと従来機を上回る高画質を両立させた画像再構成技術「Veo」、そして昨年4月には高齢者をはじめとする撮影条件の厳しい患者に最適化した16列CT 「Brivo CT385」を、を発売するなど、医療機関のニーズを満たす製品を幅広く送り出しています。
当社は今後も、画質の向上や検査効率のアップなど臨床現場を強力に支援する技術や、患者さんの負担の軽減や快適性の向上につながる機能の開発に全社を挙げて取り組み、「人にやさしい、社会にやさしい」医療の実現を目指します。
*1 除外診断とは、診断のつけにくい病気について、他の病気でないことを診断(除外)することで、最終的にその病気であることを診断すること
*2 出典:1998年9月16日付「Diagnostic Imaging」
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