世界初、音のしないMRI検査を可能とする 「SILENT SCAN」発売
-MRI検査の常識を変える、「静けさと安心感」を-
- GEヘルスケア・ジャパン株式会社
- 2013年9月10日
医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、社長:川上潤)は、GEヘルスケア製MRI(磁気共鳴断層撮影装置)に対応した新技術「SILENT SCAN(サイレントスキャン)」を本日発表し、「SILENT SCAN」を搭載したMRIの新機種を9月18日より発売します。
■「患者さんにやさしい」コンセプトに基づいた技術開発
GEヘルスケアは、1986年に世界で初めてヒトに適応するMRI装置「SIGNA」*5を発表以来、数多くの新製品を世に送り出してきました。近年では「やさしさと快適さ」をキーワードとした技術開発のコンセプト"Humanizing MR"のもと、四肢専用のMRI「Optima MR430s」や患者に安心感を与える木目調の装置デザインの採用、Needle Free*1の技術などを発表し、このたび"MRI検査はうるさい"という今までの常識を大きく変える「SILENT SCAN」の開発に至りました。
*5 : ・ 1.5テスラ
・ 超伝導マグネット
*1 :バイオプシー(穿刺)や造影剤・鎮静剤の使用をできる限り抑えることを目指して、低侵襲・非侵襲な検査を実現するGEの先進
アプリケーション
「SILENT SCAN」は、GEヘルスケアの技術力を結集し、従来のMRI検査時に発生する騒音の一部を「発生させない」ことに成功した、世界初*2の音のしない*3MRI撮像技術です。これまでのMRI装置では、車のクラクションと同程度の激しい騒音の中で患者さんは検査を受けなければならず、 特に高齢者や小児の患者さんには負担が大きく、MRI装置の騒音解消は医療施設や患者のニーズに加え、医療機器メーカーの長年の課題でもありました。
こうした背景の中、MRI検査において検査時の安静を脅かす要因のひとつであった騒音を発生させないことを可能にする「SILENT SCAN」技術は、より快適で安全な検査環境を提供し、MRI検査の常識を変える大きな一歩になると期待されています。
*2 :2013年9月調査
*3 :検査環境音+3dB以下
なお、2013年8月より社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷浜松病院にて、発売に先駆けて「SILENT SCAN」を搭載したGE社製3テスラMRIが稼働しています。
■MRI検査時の騒音を「発生させない」世界初*2の技術
従来のMR装置は検査時に、ドンドンカンカンという工事現場のような騒音が起こります。これは、装置の中にあるコイルが検査中に振動するために発生する音で、検査の種類にもよりますが、大きいときには100dB以上の激しい騒音を発していました。これまで、発生する騒音をいかに小さく抑えられるかという「静音化」への試みを実施したMR装置の開発はありましたが、「音そのものを発生させない」技術はありませんでした。今回GEヘルスケアが開発した「SILENT SCAN」では、今までのMRIと全く違ったデータの取り方を採用、専用の撮像ソフトウェア「Silenz(サイレンツ)」を用いることで、傾斜磁場コイル(Gradient Coil)をほとんど振動させずに、結果として撮像をしていない環境音に対してわずか3dB以下という音量のMRI検査を実現しています。このSilenzに用いられる特殊な傾斜磁場波形と、特殊なRF波形を印加する上で必要となるハードウェアが、極めて追従性の高い電源システムと高速に送受信を切り替えるRFスイッチを搭載したコイルであり、「SILENT SCAN」は、これらハードウェア、ソフトウェアが融合した技術と言えます。*4
この「SILENT SCAN」を搭載した新しいバージョンのMRI装置を9月18日に販売開始し、MRIで最も多く行われている頭部検査において、音のしない*3撮像が可能となります。今後は、対応する検査の拡大により、より安心で安全な検査環境の実現、「やさしさと快適さ」のあるMRI検査に向かって、GEヘルスケアは今後も研究・開発を行っていきます。
*4 「SILENT SCAN」を構成するソフトウェア技術とハードウェア技術
製品名:(1)Discovery MR750w 3.0T
(2)Optima MR450w 1.5T
薬事販売名: (1)ディスカバリーMR750w
(2)オプティマMR450w
発売日: 2013年9月18日
医療機器認証番号: (1)223ACBZX00061000
(2)223ACBZX00032000
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