フィリップス・レスピロニクス、クラウド型患者データ管理システム「EncoreAnywhere」(アンコールエニウェア)のサービスを開始
- 株式会社フィリップス・ジャパン
- 2014年4月1日
フィリップス・レスピロニクス合同会社(本社: 東京都港区、職務執行者社長:ダニー・リスバーグ、以下 フィリップス)は、本日4月1日より、クラウド型患者データ管理システムである「EncoreAnywhere」のサービスを開始することを発表しました。
CPAP(シーパップ)療法は睡眠時無呼吸の治療法における第一選択となっておりますが、治療機器使用時の違和感などを原因として、治療を開始した患者さんのうち約30%が開始3ヵ月以内に治療を中止しております*1。
現在の医療保険制度においてはCPAP療法を受けている患者さんは原則月1回の再診が求められており、その際に医療従事者によって機器使用状況および治療成果の評価が行われております。この仕組みは新たに治療を開始した患者さんにおいても同様であり、一度治療機器が処方されると、その後約1ヵ月の再診までの間は医療従事者による介入を受けることが困難な状況にあります。
治療機器の使用方法に問題があったために治療継続に困難を感じた患者さんに対して、適切かつ迅速な介入を行うことは、患者さんの治療効果の向上および予後の改善に寄与すると考えられます。
「EncoreAnywhere」の立ち上げにあたっては、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已)のTier4レベルのデータセンターを活用し、行政機関や金融機関のシステム環境に相当する堅牢性の高いシステムを構築しました。またバックアップデータを遠隔地に保管することで、医療機関よりお預かりした患者さんの大切なデータを安全に保管する仕組みを提供いたします。
「EncoreAnywhere」は従来のスタンドアロン型患者データ管理システムである「EncorePro2」の設計思想を踏襲しています。医療従事者の皆様よりこれまでご好評を頂いていた機能が多く搭載されているとともに、クラウド型のメリットを生かした機能も新たに盛り込まれています。
「EncoreAnywhere」のシステム利用料は、フィリップス・レスピロニクス合同会社へのCPAPレンタル費用に含まれます。患者さんの治療機器から「EncoreAnywhere」への接続には通信機器が必要となります。通信機器のレンタル料金は月額1,000円(税抜)で、全国の医療機関に対してレンタルを行います。
「EncoreAnywhere」の特長
1. 機器使用状況・治療データの自動転送
「EncoreAnywhere」は治療機器に加えて、患者さん宅に専用の通信機器を設置することで、毎日の機器使用状況および治療データが自動的にフィリップスのデータサーバーに転送されます。医療従事者はWebブラウザを使用してデータサーバーにアクセスすることで、これらのデータを必要に応じていつでも閲覧可能となります。
患者さんにおいては、従来は毎月の外来再診時に治療データを保存したSDカードを持参する必要がありました。「EncoreAnywhere」は従来SDカードに保存されていたデータをすべてデータサーバーに転送しますので、SDカードの持参が不要になります。また必要に応じて医療従事者によって治療データを確認してもらうことができます。
2. 医療従事者へのアラート機能
通信機器を通じて転送されてきた治療データが一定の基準を外れる異常な値であった場合には、「EncoreAnywhere」は医療従事者の専用画面にその旨を表示し、患者さんへの介入を促します。
3. 無呼吸タイプの識別とレポート表示
睡眠時無呼吸の患者さんには、上気道の閉塞を伴う「閉塞性無呼吸」と、呼吸調節の異常に伴う「中枢性無呼吸」や「チェーンストークス呼吸」*2が複雑に混在し、また日々・時間ごとに重症度やタイプが変化するケースが報告されています。
フィリップスのCPAP療法装置はこれらの無呼吸タイプを識別することができ、「EncoreAnywhere」はその識別結果を治療レポートに表示することが可能です。
4. 処方変更機能
再診時の機器使用状況および治療データの評価の結果、機器の処方設定内容を変更する必要がある場合、医療従事者は「EncoreAnywhere」を使用して、SDカードに変更内容を書き出すことができます。
患者さんがこのSDカードを自宅に持ち帰り、使用しているCPAP療法装置に挿入することによって、装置に変更内容が反映される仕組みとなっています。
5. オキシメトリ機能
対応機種においてはオキシメトリ機能を利用することが可能となっております。
この機能を使用することで、患者さんの治療中における動脈血酸素飽和度(SpO2)の記録および 「EncoreAnywhere」へのデータ転送が可能となります。これにより医療従事者にさらに詳細な治療データを提供します。
現時点*3で「EncoreAnywhere」への接続が可能なCPAP療法装置の機種は以下となっております。
*1 フィリップス社調べ
*2 呼吸が徐々に小さくなり無呼吸が発生し、その後、呼吸が徐々に大きくなり過呼吸となる。この様な漸増・漸減のパターンを周期的に繰り返し発生する呼吸をチェーンストークス呼吸といいます
*3 2014年4月時点
EncoreAnywhereイメージ図
【ご参考:睡眠呼吸障害の治療方法】
睡眠呼吸障害の治療方法の1つにCPAP(シーパップ)療法があります。CPAP療法は、本体から呼吸回路(チューブ)と鼻マスクを介して一定の圧力を患者さんに供給します。常に一定の圧力を供給することで気道を広げ、無呼吸を治療します。主に閉塞性無呼吸に対する治療方法の第一選択肢として全世界で多く用いられています。
フィリップス・レスピロニクス合同会社について
フィリップス・レスピロニクス合同会社はハイテクME機器の開発及び輸入会社として1984年に創業しました。その後は呼吸医療と睡眠医療の専門企業として、高性能人工呼吸器やCPAP装置、そしてそれらの関連機器の輸入から供給まで一貫したサービスの提供に努めております。フィリップス・レスピロニクス合同会社の詳細につきましてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.co.jp/respironics/)
日本におけるフィリップスについて
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、1953年に日本電子開発株式会社としてフィリップス製品の日本市場への輸入を開始し、いくつかの企業統合や社名変更等を経て2005年に社名を株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンに変更しました。現在は、ヘルスケア、ライティング、コンシューマーライフスタイル等の事業部から構成されています。2008年には、呼吸器、睡眠治療器などを扱うフジ・レスピロニクス株式会社を傘下に入れ、同社は2010年に社名をフィリップス・レスピロニクス合同会社としました。株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、フィリップス・レスピロニクス合同会社と合わせて約1,700名の従業員を擁し、全国約80ヵ所に事業所を展開しています。株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンの詳細につきましてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.co.jp)
ロイヤル フィリップスについて
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の生活の向上を目指して常に革新的であり続け、ヘルスケア、コンシューマーライフスタイル、ライティング分野において健やかで満ち足りた暮らしを提供する企業です。本社はオランダで、2013年の売上は233億ユーロ、世界100ヵ国以上に約115,000人の従業員を擁しています。循環器疾患ケアや急性期疾患の診断治療とホームヘルスケア、省エネ照明ソリューション、新たな照明アプリケーション、および男性用シェーバーやグルーミング、オーラルヘルスケアにおいてリーダーシップを発揮しています。ニュースリリースについてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/)
将来予想に関する記述について
このプレスリリースにはフィリップスの将来の業績、財務状況、事業活動の結果や事業計画に関する「将来予想に関する記述」が含まれています。「将来予想に関する記述」はその性質上、将来起こりうる様々な事象や状況の変化によってもたらされるリスクや不確実性を伴うものであり、それにより、「将来予想に関する記述」で述べた内容や暗示した記述と実際の結果や事象は実質的に異なる可能性を含んでいます。
報道関係および企業に関するお問い合わせ
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン ブランド コミュニケーション部 TEL: 03-3740-4551
【お問い合わせ先】
製品に関するお問い合わせ
フィリップス・レスピロニクス合同会社 マーケティング部 TEL: 03-3740-3245
- 企業サイトURL
- http://www.philips.co.jp/healthcare
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