GEヘルスケア・ジャパン、新たな循環器部門向け統合ソリューションを発売

多様なデータの統合で、増加する循環器疾患の診療の質や検査効率の向上に貢献

GEヘルスケア・ジャパン株式会社
2013年2月15日

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社: 東京都日野市、社長: 川上潤)は本日2月15日(金)、循環器部門向けの統合ソリューション「Centricity Cardio Enterprise(セントリシティ・カーディオ・エンタープライズ: CCE)」を中小規模医療機関の循環器部門や循環器専門病院を主対象に発売、循環器領域向けの医療ITビジネスを強化します。
Centricity Cardio Enterpriseは循環器部門向け統合データマネージメントシステム「Centricity Cardio Workflow(セントリシティ・カーディオ・ワークフロー: CCW)」と、循環器領域専用画像解析ビューワー「Centricity Cardio Imaging(セントリシティ・カーディオ・イメージング: CCI)」の2製品を組み合わせた統合ソリューション。院内のシステムや医療機器とオンラインで接続し、心臓や血管といった循環器領域の診断・治療に必要な患者情報、各種画像データ、検査情報や検査レポート、解析データなどを一元的に集約。希望する情報をいつでも参照できるようにしたほか、レポートの自動作成や統計データの抽出機能を搭載し、循環器部門全体の業務フローの効率化を支援します。
現行の循環器向けシステムではレポート作成や画像参照などの機能に特化したものが主流ですが、当社は画像診断装置から生体情報モニタ、ヘルスケアITまで幅広い分野を手がける強みを駆使し、このほどオンラインによる循環器データの一元管理機能を有した統合ソリューションの最新版を開発しました。

■現在の循環器部門が抱える課題
循環器疾患は、狭心症や心筋梗塞をはじめとする心臓疾患、高血圧症や大動脈瘤といった血管疾患など多岐にわたり、超高齢社会の到来に伴ってその患者数も年々増加しています。命にかかわることも多い循環器疾患では一人ひとりの患者さんにより的確な診療を施すために、救急や外来、病棟など様々な環境下で、CT(コンピューター断層撮影装置)やアンギオ(血管撮影)装置、超音波診断装置、心電計など複数部門にわたる医療機器を使用して、長期的に診療するのが主流となっています。
ただ循環器部門ではこれまで、放射線科向けのRIS(放射線科情報システム)のような部門管理システムがなく、患者レポートを作成する際、検査・処置室や医療機器ごとに保存・管理されている画像や検査・解析データ、波形データ、数値データなどを個別に収集しなければならず、データ収集や検査データの入力に時間が取られるケースもありました。また、診断装置の画像データや心電計の波形データ、計測数値データをそれぞれ別端末で参照する必要があったため、業務が煩雑になる点や他の医師・コメディカルスタッフと情報が共有しにくい点が課題となっていました。

■画像・検査・解析データの一元的な管理を実現し、業務効率改善や診療の質向上に貢献
循環器部門で抱えるこれらの課題を背景に、循環器領域の診断・治療に必要な画像データや検査情報、解析データ、検査依頼などを一元的に集約・管理し、いつでも参照できるようにしたのがCentricity Cardio Enterpriseです。ネットワーク化によるデータの一元化に伴い、各種画像や検査、解析データなどの入手や参照も容易になり、レポートの作成時間が短縮されるほか、他の医師やコメディカルスタッフとの情報共有も迅速化されます。
臨床的には、統合された情報に基づく診療の質のアップや患者ケアの充実につながると見込まれているほか、撮影画像や検査結果を表示しながら患者さんとコミュニケーションできるようになるため、患者さんの安心感の向上に貢献すると期待されています。

Centricity Cardio Enterpriseの概念図
循環器領域の診断・治療に必要な画像データや検査情報、解析データを一元的に集約・管理



1.血管撮影装置、心エコーなどの複数の画像診断装置に対応、カテ記録やエコー計測値などの検査結果も自動取得して一元管理

CTやMRI、アンギオ装置、核医学診断装置、心臓用超音診断波装置、カテラボ、心電計などの多彩な循環器検査装置に対応。カテラボや心臓超音波診断装置などをネットワークで接続し、検査結果(数値データ、波形データ、使用材料など)を自動的に取得してデータベースに格納できるほか、CTやMRI、アンギオ装置などの画像データや照射録を取り込み、同じデータベースで一元管理可能です。

2.心機能解析や狭窄解析分野で主要な解析・計測ツールを搭載

冠動脈の狭窄を定量的に解析するQCA(定量的冠動脈解析)や左心室の運動機能を定量的に解析するQVA(定量的左心室機能解析)といったカテーテル検査における解析ツール(Medis社QAngio)や、エコー計測ツールがオプションで搭載可能です。

3.ネットワーク経由で院内のどこからでも必要なデータにアクセス可能、患者さんの安心感向上にも貢献

これまで画像や検査データの閲覧には専用の端末を個別に揃える必要がありましたが、Centricity Cardio Enterpriseではネットワーク上に各種データを一元的に保存するシステムを採用、検査・処置室や病棟、医局など院内のどこからでも必要なデータにアクセス可能です。その結果、撮影画像や検査結果を表示しながら患者さんとコミュニケーションできるようになるため、患者さんの安心感の向上にも貢献すると期待されています。

当社は循環器部門向けITソリューションとしてこれまで、画像サーバー「Centricity Cardiology Image Server」、専用画像解析ワークステーション「Centricity CA1000」、統合データマネージメントシステム「Centricity Cardiology Xi2」を提供してきました。また循環器部門以外では、高機能PACS「Centricity」シリーズやレポーティングシステム「Centricity i3」などの読影ソリューション、統合参照ソリューションである「Centricity CDS」など、多彩な医療用ITソリューションを大学病院などの大規模病院から中・小規模病院まで幅広い医療機関に導入しており、大規模施設では約15%のシェアを有しています(自社調査)。
加えて昨年3月には、クラウドコンピューティングを活用した医療用画像のデータホスティング・サービス「医知の蔵(いちのくら)」(www.ichino-kura.jp)の本格運用を開始、4月には国内で初めて(自社調査)薬事認証を取得したモバイルPACS「CRMA」を導入するなど、診断・治療の質の向上、および画像データのセキュリティ強化や病院経営の効率化につながる医療IT製品やサービスを相次ぎ市場投入しています。
当社は今回のCentricity Cardio Enterpriseの発売にあわせて、循環器部門向けITソリューションに携わる陣容を拡充し、現在当社のIT製品を導入中の医療機関のアップグレード需要を取り込むほか、アンギオ装置や超音波診断装置など当社の循環器向け製品と連携強化を図りながら中小病院の循環器部門や循環器専門病院の買い替え需要を主対象に積極的に販売します。
当社はこれからも医療機関のニーズに細やかに対応できる多彩な医療ITソリューションの導入を通じて、日本が今後直面する超高齢社会に不可欠な在宅医療や地域医療連携、遠隔医療などをサポートし、「人にやさしい、社会にやさしい」医療の実現に貢献することを目指します。

製品名: Centricity Cardio Enterprise(CCE)
発売日: 2013年2月15日
初年度国内販売目標: 10システム
医療機器認証番号: CCEに含まれるCentricity Cardio Imaging(CCI)
セントリシティ・カーディオ・イメージング/224ABBZX00144000号
Centricity Cardio Workflow(CCW)は認証対象外

その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器認証番号は以下の通り

Centricity Cardiology Image Server、Centricity Cardiology Xi2、Centricity i3、Centricity CDS、医知の蔵は薬事対象外

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