GEヘルスケア・ジャパン、 PET/CT 「Discovery」シリーズ最新2機種を発売
新開発の定量精度向上機能と最適設計された検出器を搭載。がん治療の効果判定の信頼性・安定性を向上し、腫瘍の最適な治療方針策定を支援
- GEヘルスケア・ジャパン株式会社
- 2012年10月10日
医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、社長:川上潤)は10月22日(月)、PET(陽電子放射断層撮影装置)とCT(コンピューター断層撮影装置)を一体化したPET/CT 「Discovery(ディスカバリー)」シリーズの最新2機種を発売します。
今回市場投入するのは、先進の画像再構成技術を搭載した「Discovery PET/CT 710(ディスカバリー・ペットシーティー・710)」と、高感度検出器を搭載した「Discovery PET/CT 610(ディスカバリー・ペットシーティー・610)」の2機種。両装置の最大の特長は、病巣の良悪性を判断する指標の1つであるPETの定量値の測定精度を高め、がん治療の効果判定における信頼性・安定性を向上させたこと。臨床的には、がん患者の最適な治療方針の見極めを後押しし、がん治療の的確なサポートに貢献すると期待されています。
■PET/CTの新たな臨床トレンド「治療効果判定」とこれまでの課題
PET/CTの新たな臨床トレンド 当社が2003年に国内初のPET/CT「Discovery LS」を発売して以来、同装置はこれまで主に腫瘍や脳、心臓の機能検査に活用されてきました。近年、PET/CTが全国に広く普及し、検査数も伸びるにつれ、放射線科以外の臨床医を中心に、がん治療の効果判定にPET/CTを活用する動きが活発になってきています。
PET/CTやPETは体内に投与した放射性薬剤の集積を画像化し、代謝や血流などの生理学的・生化学的な機能を捉えますが、その際投与した薬剤が体内にどのくらい分布しているかを数値化できます。このPET定量値(SUV)を投薬前後に測定・比較することで、治療薬の効果を簡便に確認でき、測定結果に応じて今の治療を続けるか、あるいは異なる治療法を選択するか、最適な治療方針を見極められるようになります。
この治療効果判定には、PET定量値が正確で一貫性のあることが前提条件となりますが、これまでは呼吸性の臓器の移動など検査状況よって数値にバラつきが出るといった課題がありました。そのため、治療効果判定の精度アップに向け、信頼できるPET定量値を安定的に生成することが求められていました。
■PET定量値の信頼性と安定性を高め、より確かな治療効果判定に貢献する新PET/CT
この定量精度の低さを改善し、PET定量値の信頼性と安定性を高めたのが今回発売するDiscovery PET/CT 710とDiscovery PET/CT 610です。両装置では新開発の「Q.Suite(キュースイート)」と最適設計された検出器の搭載で、定量精度の向上と検査ごとのバラつき低減を実現しました。
Q.Suiteは、定量性(Q:Quantitation)を劣化させる様々な要因を解決・低減する機能をまとめてパッケージ化したもので、その目玉となるのが呼吸同期の収集時間を短縮しながら定量性と画質の向上を実現する「Q.Freeze(キューフリーズ)」。臓器の動きによる影響を低減するため、呼吸にあわせて撮影する呼吸同期収集は、通常の検査に比べて時間がかかり、検査効率の低下を招いていました。新開発のQ.Freezeでは国内で初めて、定量性と画質を高めつつ、呼吸同期収集時間を従来に比べて3分の1程度に短縮することに成功、検査効率の大幅アップを実現します。
Courtesy of University of Milan − Bicocca, San Gerardo Hospital, Monza, Italy
※これらの比較画像は、GEの旧製品と今回の製品を比較したものです。
<画像解説>
左)呼吸同期なし:検査時間は10分と短いが、呼吸性の移動の影響で肺がん部位がぼけて描出され、また肝臓上部にもアーチファクトが出ており、PET定量値(SUV)も過小評価(本来あるべき値より低く)されている。
中央) 従来までの呼吸同期PET/CT(GEではMotion Match機能):肺がん部位のぼけも肝臓上部のアーチファクトも改善されるが、検査に時間がかかる(24分)。
右) Q.Freeze:呼吸同期なしに近い12分の検査時間で、肺がん部位はぼけも肝臓上部アーチファクトもなく描出されており、画像が良好でSUVもあるべき真値に近づいている。
またDiscovery PET/CT 710とDiscovery PET/CT 610では、定量測定に最適設計された検出器を搭載して測定精度を向上しているほか、検出器の自動点検機能を備え、検出器が日々安定した性能を発揮できる体制を整えています。
Discovery PET/CT 710とDiscovery PET/CT 610はこれらをもとにPET定量値の測定精度を高めることで、PET/CTの新たな臨床トレンドであるがん治療の効果判定における信頼性・安定性を向上。質の高い治療効果判定を可能にすることで、がん患者の最適な治療方針の見極めを後押しし、がん治療の的確なサポートに貢献すると見込まれています。
■市場環境・販売戦略
当社は、2003年他社に先駆けて国内初のPET/CT「Discovery LS」を発売して以来、2004年に日本初のPET/CT専用機種「Discovery ST」、2006年にその上位機種「Discovery ST Elite」、2007年に64列マルチスライスCTを搭載した「Discovery VCT Elite」を発売。その後、体動に起因する課題を解決し、微小な動く病変の描出能力を一段と向上させた「Discovery PET/CT 600」「Discovery PET/CT 690」を2009年に発売するなど、先進的な技術で日本のPET/CT市場をリードしてきました。その機能性と臨床的有用性が全国の医療機関から高く評価され、現在全国で稼動しているPET/CT 360台中、当社製装置は180台と5割のトップシェアを獲得しています。
当社は、今回発売するDiscovery PET/CT 710とDiscovery PET/CT 610を、PET/CTラインアップの中核機種と位置づけ、Discovery PET/CT 710を大学/研究機関やサイクロトロン保有病院、PETセンター、Discovery PET/CT 610をFDG(フルオロデオキシグルコース)薬剤のデリバリーを受ける公立病院や民間病院における新規導入や買い替えを主対象にそれぞれ販売し、PET/CT市場におけるリーディングカンパニーとしての地位をさらに強化することを目指します。
また両装置の導入で、これまでの腫瘍の早期発見・診断のみならず、治療の効果判定という新たな用途でのPET/CTの有用性を訴求、腫瘍の最適な治療方針の策定を支援し、一人でも多くのがん患者の治療サポートに資すること狙います。
当社では今後も、これらの取り組みをはじめとする優れた医療ソリューションの提供を積極的に図り、「人にやさしい、社会にやさしい」医療の実現に貢献することを目指します。
▲Discovery PET/CT 710 / Discovery PET/CT 610
<新発売2機種>
(画像をクリックで拡大)
その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事認証名称/医療機器認証番号は以下の通り
メディカルオンライン プロダクト製品情報
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