GEヘルスケア、患者の快適性を高めた核医学診断用装置Discovery NM630を発売
新開発の検出器と画像処理ソフトの搭載で、画質向上とCT/MRとの重ね合わせも実現
- GEヘルスケア・ジャパン株式会社
- 2012年4月12日
GEヘルスケアグループ(以下GEヘルスケア)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、社長:川上潤)は4月13日(金)、検査時の快適性を高め身近で安心感の高い核医学検査を可能にするSPECT装置(単光子放射断層撮影装置)「Discovery NM630(ディスカバリー・エヌエム・630)」を、大学病院や地域基幹病院、総合病院までの幅広い医療機関を主対象に発売します。
SPECT装置は体内に投与した放射性医薬品から放出される微弱なガンマ線やX線を検出してその分布を画像化する装置。血流量や代謝情報が得られるため、主にがんの骨転移診断、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害やアルツハイマー病などに使用されています。特に定期的ながんの転移診断や心筋・脳の血流測定に優れており、国内では現在、先端的な研究機関から大学病院・心臓検診センターまでの約1,200の施設で幅広く導入されています。
今回発売するDiscovery NM630は、2004年の発売以来、約150台の国内納入実績を誇る「Infinia(インフィニア)」シリーズの上位機種。検査時間の短縮や開放感のあるデザインの採用で、患者の快適性を高め、小児やがんの骨転移による痛みのある方などこれまでSPECT装置で撮影が難しかった患者も手軽に安心して検査できるようにした装置です。
核医学検査は、CT(コンピューター断層撮影装置)や超音波診断装置の撮影と比較して一般的に検査時間が長く、その間同じ体勢を保つ必要があるため、小児や痛みを伴う患者への検査は大きな負担となっていました。また撮影機構部(ガントリー)の開口径が小さく、かつ検査時には大型の検出器が体の周囲を回転するため、撮影時に患者が圧迫感を感じるケースが多くありました。
Discovery NM630では、新開発の画像処理用ソフトウェア「Evolution(エボリューション)」を搭載することで、従来と同等の画質を維持したまま、がんの骨転移などを調べる場合の全身像の撮影時間を約15分から7分半へ、さらにSPECT像の撮影時間も7分半と短縮できるため、断層像を追加しても検査時間はトータルで15分と短縮します。加えて、従来から厚みを13cm薄く、重量を80キロ軽くした新開発のElite NXT(エリート・エヌエックスティー)検出器や、開口径を従来の60cmから70cmに約15%拡大したガントリーを採用し、検査時の患者の圧迫感を大きく削減しました。
検査時間の短縮と快適性のアップを高い次元で融合したDiscovery NM630は、これまでSPECT装置で撮影が難しかった小児やがんの骨転移による痛みのある患者においても身近で安心感の高い検査を可能にすることで、SPECT検査の適用可能患者層を拡大し、SPECT検査をより身近なものにすると期待されています。
▲検査時間の短縮や開放感のあるデザインで患者の快適性を高めたDiscovery NM630
■その他のDiscovery NM630の主要特長
1. 検査ごとにワンタッチで撮影機能部を所定の位置にセット可能、スピーディーな検査を実現
小型軽量化した検出器とガントリー軸受けが連動して多軸同時駆動する新たな機構を採用。検査の種類ごとにホームポジションを登録することで、ガントリーやテーブルをワンタッチで所定の位置にセットできます。コリメータの交換や患者の位置決めのための検出器配置など、毎日の検査で生じる作業を短縮し、スピーディーな検査を実現します。
2. 検査時の利便性を高める工夫を随所に施し、多彩な撮影ニーズに柔軟に対応
検査時の利便性を高める細かな配慮を随所に施したDiscovery NM630。撮影テーブルは下支えの構造を採用し、ストレッチャーは両側から横付け可能など、患者の乗せ換え時も支柱が邪魔になりません。また配線類を気にすることなくテーブルを横に振れるので、コリメータ交換が容易なのはもちろんのこと、ストレッチャーや立位・座位での撮影ニーズにも柔軟に対応できます。
Discovery NM630は、4月13日(金)〜15日(金)にパシフィコ横浜で開催される2012国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2012)の当社ブース内で詳しく紹介します。
国内のSPECT装置の市場規模は新規購入と買い替えをあわせて年間約40億円、台数ベースでは年間約100台。当社はSPECTとCTを一体化したSPECT/CT装置*2「Discovery NM/CT 670(ディスカバリー・エヌエムシーティー670)」シリーズ、国内初の半導体検出器搭載SPECT装置「Discovery NM 530c(ディスカバリー・エヌエム530シー)」(2010年11月発売)と「Ventri(ベントリ)」(2008年10月発売)の心臓検査専用装置、ならびに汎用型の「Infinia」シリーズ(2004年8月発売)と、多彩な製品の市場投入で医療機関のニーズにきめ細かく応え、現在約40%のシェアを有しています(自社調査)。
当社は今回発売するDiscovery NM630を「Infinia」シリーズの上位機種と位置づけ、大学病院や地域基幹病院、総合病院など現在SPECT装置を保有している約1,200施設の買い替え、ならびに新たに核医学検査を開始する医療機関の新規導入を主対象に積極的に販売し、市場における地位をさらに強固なものにすることを目指します。
当社は今後も、画質の向上や検査効率のアップなど臨床現場を強力に支援する技術や、被ばく低減など患者負担の軽減や患者の快適性につながる機能の開発に全社を挙げて取り組み、「人にやさしい、社会にやさしい」医療の実現を目指します。
製品名:Discovery NM630
薬事販売名:核医学診断用装置Discovery NM630
希望小売価格:2億円(税抜き)
発売日:2012年4月13日
初年度国内販売目標:30台
医療機器認証番号:223ACBZX00079000
その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器認証・承認番号は以下の通り
*1 光電子増倍管(Photomultiplier Tube:PMT)は、光電効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電管を基本に、電流増幅(=電子増倍)機能を付加した高感度光検出器
*2 SPECT/CT装置は、体内の構造物の形状や病変の位置などの形態情報の描出に優れたCT装置と、放射性医薬品を体内に投与し代謝や血流など生体内の生理学的・生化学的な機能を描出するSPECT装置を組み合わせ、病変部位の位置特定と機能診断を一度の検査で容易に可能にした装置
メディカルオンライン プロダクト製品情報
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