GEヘルスケア・ジャパン、高齢者の撮影に最適化したコンパクトCT 「Brivo CT385」を発売

超高齢社会を見据えて開発・製造した世界仕様モデル

GEヘルスケア・ジャパン株式会社
2012年3月30日

GEヘルスケアグループ(以下「GEヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長:川上潤)は4月13日(金)、高齢者をはじめとする撮影条件の厳しい患者に最適化した世界最小設置面積*1の16列CT「Brivo CT385(ブリボー・シーティー・サンハチゴ)」を、全国の中小規模病院や診療所を主対象に発売します。

Brivo CT385は、世界に先駆けて日本が迎える超高齢社会に向けて、多彩な医療ソリューションの開発・提供を目指す当社の「Silver to Gold(シルバー・トゥ・ゴールド)」戦略*2の一環として、高齢者をはじめとする撮影条件の厳しい患者に最適な装置を目指して開発・製造した16列CT。
173cm(高さ)×180cm(幅)×97cm(奥行き)のコンパクトな撮影機構部(ガントリー)を採用して撮影時の圧迫感を和らげたほか、撮影時の細かな位置決めを不要にして高齢者の負担を軽減。目の水晶体や乳房などの放射線感受性の高い臓器に対して体前面から照射するX線量を制御する新機能も搭載し、撮影時の被ばく量も低減しています。一方でGEヘルスケア製64列CTと同等の最小スライス厚0.625mmを実現し、一度の検査で縦・横・斜めなど様々な角度から高精細かつスピーディーな広範囲撮影を可能にする優れた撮像機能も有します。加えて、16列CTのなかで世界最小となる10m2の設置面積やシングルスライスCTと同じ電源容量など、設置環境が限られる日本の施設にマッチした高い経済性も併せ持つ装置です。
撮影時の優れた快適性・機能性・コンパクト性・経済性を高い次元で融合したBrivo CT385は、高齢者をはじめとする撮影条件の厳しい患者においても安心してスクリーニング撮影に適用できる装置として、高齢患者の割合が高い地域のプライマリケアに貢献することが期待されています。

▲高齢患者の撮影に必要な最適化を図りプライマリケアへの貢献が期待される「Brivo CT385」


■Brivo CT385の主な特長

1. 最小スライス厚0.625mmでの高速・高画質撮像を実現、脳萎縮やCOPDの観察などの臨床応用に期待
Brivo CT385はGEヘルスケアがこれまで培ってきたCTの撮像技術を受け継ぎ、最小0.625mmスライス×16列でのアイソトロピック*3な高精細データの収集が可能です。画像処理では逐次近似法を応用した画像再構成法AiNR(アドバンスド・イテラティブ・ノイズ・リダクション)をはじめとするCViR(シーブイアイアール:Clear View Image Reconstruction)を搭載し、実用高速ヘリカルピッチ1.75(秒速35mm)を達成。1.25mmスライスを用いたルーチン検査では、全肺30cm撮影を約9秒で完了し、短時間の息止め検査に対応します。また0.625mmスライスでのアイソトロピック精査撮影においても約17秒で完了する高速実用性を備えています。加えて専用のワークステーション機能を標準装備し、撮影後はその場で高精細三次元解析画像を構築できます。
これらの高速・高精細の撮像・画像再構成能力を生かし、脳萎縮やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の観察など高齢者に多い疾患への臨床応用が期待されています。

2. 撮影機能部の小型化と自動位置決め・被ばく低減機能で患者負担軽減と検査効率向上を実現
Brivo CT385の撮影機構部(ガントリー)のサイズは173cm(高さ)×180cm(幅)×97cm(奥行き)と従来のBrightSpeedシリーズに比べて25%小型化することで、高齢者をはじめとするあらゆる患者の撮影時の圧迫感を軽減し、快適な検査環境を提供します。
また、頭部CT検査では眼の位置と外耳孔の位置を結ぶOMライン(眼窩外耳道線)を基準面に設定して撮影しますが、高齢患者は脊椎の湾曲や脛骨の歪みなどのため、このOMラインを正しい位置に設定するのが難しく、操作者の熟練した技術が必要とされてきました。身体の曲がった高齢患者に無理な体勢を強いるケースもあり、OMラインの位置決めはCT検査の課題の1つになっていました。
Brivo CT385では撮影後に、OMラインに変換された画像を自動構築する「スマートポジション」機能を搭載することでこの課題を克服。これまでガントリーの角度調整(ガントリーチルト)で対応していたOMラインの位置決めが、チルト操作を不要にすることで、撮影者の経験に左右されない簡単な操作で可能になります。このスマートポジション機能の搭載で検査時間の大幅な短縮につながるほか、楽な姿勢での撮影が可能になることで患者の負担が飛躍的に軽減します。
チルト操作が不要になることで懸念される目の水晶体に対する被ばくには、体前面からのX線量を自動的に低減する新開発のODM(オーガン・ドーズ・モデュレーション)機能を搭載することで対応。水晶体や乳房といった放射線感受性の高い臓器の被ばく量を低減し、患者の負担を和らげています。

3. 16列CTで世界最小の設置面積と省電源設計でシングルスライスCTからの更新需要に適応
Brivo CT385はガントリーの小型化で、16列CTで世界最小となる4m×2.5m=10m2の設置面積を実現するとともに、電源設備も40/30kVAと省電源化を達成し、シングルスライスCTからの更新にも柔軟に適応可能です。コンパクト化に伴い、空調設備が必要なスペースも縮小されるため、電気代の節約など医療機関のコスト削減にも貢献すると期待されています。

当社は、外資系画像診断装置メーカーとして唯一、国内に開発・製造拠点を持つ優位性を生かし、近年、国内の顧客の声を反映した製品を開発・製造し、国内市場のみならず、全世界に向けて展開する「In Japan For Global(日本発、世界へ)」戦略を積極的に推進しています。
当社はBrivo CT385を、同戦略の第1弾として2005年12月に発売したMRI「Signa Hde(シグナ・エイチディーイー)」、第2弾として2010年4月に発売した「Optima CT660(オプティマ・シーティー・ロクロクマル)」シリーズに続く第3弾と位置づけ、全国の中・小規模病院や診療所の新規購入や買い替えを主対象に販売します。加えて、同時に発売するOptima CT660シリーズの後継機種「Optima CT660 FD(オプティマ・シーティー・ロクロクマル・エフディー)」など他の製品群とあわせて上位機種から普及機に渡る積極的な拡販を展開し、国内のCT市場におけるトップの地位獲得を目指します。

当社は、1998年に世界初*4のマルチスライスCT「LightSpeed QX/i」(4列)を発売して以来、CTで初めてガーネットを使用した「Gemstone」検出器を搭載し、医療機関からのニーズが最も高いスライスごとの分解能の大幅な向上を実現したハイデフィニション・マルチスライスCT「Discovery CT750 HD」(64列/128スライス)を2008年10月に、国内の医療機関の声をもとに日本で開発・製造した「Optima CT660」(64例/128スライス)を2010年4月に、そして昨年4月に一般X線撮影並みの低被ばくと従来機を上回る高画質を両立させた画像再構成技術「Veo」を発売するなど、医療機関のニーズを満たす製品を幅広く送り出しています。


*1 2012年3月19日 自社調査(Product Data Sheet DOC#:1117745)
*2 Silver to Gold(シルバー・トゥ・ゴールド)は、GEの世界戦略『ヘルシーマジネーション』にもとづき、現在国内で展開している中長期戦略。世界に先駆けて日本が迎える超高齢社会を踏まえ、高齢化に伴う課題を解決するソリューションを総合的に開発・提供することで、高齢世代(シルバー)の生活の質(QOL)を高め、幸せな輝かしい人生(ゴールド)を送れるようにしようというもの。加えて、当社では超高齢社会に適したビジネスモデルを世界に先駆けて日本で創り、この日本発のモデルを日本の後に高齢社会を迎える世界各国に展開することを目指している。
*3 アイソトロピックとは「等方向性」という意味で、3D画像を作成する時に使用するデータがX軸・Y軸・Z軸の各方向ともほぼ同じサイズの立方体として得られること(どの方向にも等質な高い分解能を有するという意味で用いられる)。マルチスライスCTシステムに必要とされる重要特性の1つ
*4 出典:1998年9月16日付「Diagnostic Imaging」

製品名:Brivo CT385
薬事販売名:全身用X線CT診断装置Brivo CT385
希望小売価格:9億5千万円(税込み)
発売日:2012年4月13日
初年度国内販売目標:200台
医療機器認証番号:224ACBZX00008000

その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事認証名称/医療機器認証番号は以下の通り

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