GEヘルスケア・ジャパン、汎用超音波診断装置LOGIQ S8を本格発売
日本人の身体的特徴にあわせて画像の最適化を施した国内開発装置
- GEヘルスケア・ジャパン株式会社
- 2011年9月29日
GEヘルスケアグループ(以下「GEヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長:川上潤)は、当社の汎用超音波診断装置「LOGIQ(ロジック)」ブランドの中上位モデル「S(エス)」シリーズの最新機種「LOGIQ S8(ロジック エス エイト)」を、中規模医療機関や超音波センターをはじめとする全国の臨床施設を主対象に本格発売します。
LOGIQ S8は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の医療に関する世界戦略「ヘルシーマジネーション(healthymagination)*1」の重点分野の1つである「地域に適した技術開発」の一環として、日本人の身体的特徴にあわせて画像の最適化を施した国内開発モデル。日本の状況、ニーズを吸い上げた日本の開発陣による製品化で、世界に先駆けての販売開始となりました。幅広い臨床用途に対応する機能性を有しながら、さらなる小型軽量化と優れた経済性を融合した装置です。
LOGIQ S8は中上位機種ながら、GEヘルスケアの汎用超音波診断装置の最上位機種Eシリーズが誇る、腹部や心臓をはじめ、乳腺や血管から、リウマチ・整形領域までの幅広い臨床領域に対応する豊富なアプリケーションと計測機能を搭載した統合モデル。なかでも肝疾患診断向けの機能を充実させているのが大きな特長です。
その1つめが、肝疾患の診断や治療効果判定の精度を高める超音波造影検査のワンタッチ化です。2007年1月の超音波用造影剤「Sonazoid(ソナゾイド)」*2の発売以降、詳細な血流情報が得られる超音波による造影検査は普及の一途を辿っていますが、超音波の出力調整など条件設定が煩雑な点がこれまでの課題となっていました。LOGIQ S8では超音波の出力を自動調整できる機能を搭載することでこの課題を克服、専用のSonazoidボタンを押すだけで、各疾患に最適な超音波造影画像の描出が可能となります。
2つめの機能が、CT(コンピューター断層撮影装置)やMR(磁気共鳴断層撮影装置)などの画像診断装置で撮影した画像と、超音波のイメージを同一画面に表示し、リアルタイムな比較を可能にする「Volume Navigation(ボリューム・ナビゲーション)」。体内の構造物の形状や病変の位置を正確に描出するCTやMRI等の画像診断装置の位置や診断情報と、超音波の高分解能イメージの重ね合わせを可能にすることで、初期段階での微小な肝臓結節の診断・治療に貢献します。
この自動調整機能とVolume Navigationを同時搭載することで、肝臓検査における病変部の位置や状態などの診断精度や効率性のさらなる向上が期待されています(下記画像参照)。
LOGIQ S8は620mm(幅)×856mm(奥行き)×1,150〜1,750mm(高さ)とコンパクトなボディを実現し、なかでも心臓部に当たるメインキャビネットは当社従来機(LOGIQ 7)に比べて約8割小型化されているほか、重量も85キロとLOGIQ 7に比べて65%の軽量化が図られています。小型・軽量ボディのため患者に与える圧迫感も少なく、かつ院内での移動も容易なため、今まで設置スペースや取り回しの問題で大型装置を導入できなかった医療施設にも設置可能です。また、消費電力もLOGIQ 7に比べて25%少なく、医療機関のコスト削減に貢献するほか、環境性能の充実が図られています。
またLOGIQ S8は、下肢から胸腹部までの検査部位に応じて590mm〜990mmの範囲でキーボードの高さを変更可能なエルゴノミクスデザインを採用。昨今増加傾向にある深部静脈血栓症(DVT:エコノミークラス症候群)などの有無を調べる下肢血管の検査時にも中腰での操作を可能にし、検査時に感じる身体的負担の7割近くに上る(当社調査)腰痛軽減に貢献します。
当社の汎用超音波診断装置「LOGIQ」ブランドは、最上位機種の「LOGIQ E9」から、中位機種の「LOGIQ 7」「LOGIQ P6」、エントリーモデルの「LOGIQ P5」、そしてノートブックタイプ可搬型の「LOGIQ e」まで、広範囲にわたる製品群を揃え、現在汎用超音波診断装置市場において約25%のシェアを誇ります(自社調査)。
当社は、今回発売するLOGIQ S8を同ブランドの中上位機種と位置づけ、LOGIQ 7の後継機種として、超音波診断装置を複数台保有している医療機関・超音波センターの買い替え・買い増しを主対象に販売します。また、同製品によって市場に技術力をアピールし、普及機を含めた全ラインアップの拡販を狙います。
当社の超音波診断装置は現在、汎用の「LOGIQ」、産婦人科用の「Voluson(ボルソン)」、循環器用の「Vivid(ヴィヴィッド)」、各診療科の特定ニーズに対応する「Venue(ヴェニュ)」、ならびに昨年10月に発売したポケットサイズの「Vscan(ヴィースキャン)」の5ブランド体制で、エントリーモデルから高性能機種までを世に送り出し、医療機関のニーズにきめ細やかに対応しています。また、2009年に発売したVenueシリーズやVscanなど持ち運び可能で操作性と機能性に優れた装置を通じて、在宅・災害医療時や、麻酔科や整形外科・リウマチ科などこれまで超音波診断装置の使用頻度が低かった分野における新たな利用機会の創出を積極的に進めています。
これらを通じて、全てのブランドにおいて幅広い製品の投入ならびにサービスの充実を図ることで、日本の超音波診断装置市場におけるナンバーワンの地位をさらに確固たるものにすることを狙います。
当社は現在、GEのヘルシーマジネーションにもとづき、国内で中期的に「Silver to Gold」(シルバー・トゥ・ゴールド)戦略を展開しています。これは、世界に先駆けて日本が迎える超高齢社会を踏まえ、高齢化に伴う課題を解決するソリューションを総合的に開発・提供することで、高齢世代(シルバー)の生活の質(QOL)を高め、幸せな輝かしい人生(ゴールド)を送れるようにしようというものです。
このSilver to Goldの一環として、当社では現在、高齢化を受けて今後日本での罹患数が急速に高まると見込まれている3疾患領域(アルツハイマー病・肝疾患・整形/リウマチ)を重点分野に定め、これらの領域の診療に必要な製品群やサービスを組み合わせて総合的なソリューションを提案しています。
重点疾患の1つである肝疾患の診療の流れをみると、まず造影剤を使用したMRI(磁気共鳴断層撮影装置)で診断し早期発見につなげ、発見後の治療の段階では、超音波診断装置によるガイドのもとでラジオ波焼灼治療(Radiofrequency Ablation:RFA)を施すといったように、肝疾患の診療には複数の装置や薬剤を組み合わせて使用するケースが多くなっています。
そこで当社では、今回発売するLOGIQ S8をはじめとする超音波診断装置や国内開発MRI「Optima MR430s 1.5T」などの先進装置を統合して医療機関に提案することで、肝疾患の診察支援を今後大幅に強化していきます。
*1 「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」は、世界が直面する深刻な医療問題の真の解決を目指して、2009年5月にGEが策定したヘルスケアに関する戦略。2015年までに60億ドルを投じて、地域に適した技術開発、ヘルスケアITの加速、格差のない医療の提供、在宅医療の推進の4分野で、100種類のイノベーションを実施し、15%の医療コストの削減、15%の医療アクセスの拡大、ならびに15%の医療の質向上を実現することを目指しています。ヘルシーマジネーションの詳細はwww.healthymagination.comをご参照ください。
*2 販売名:ソナゾイド-注射用/薬事承認番号:21800AMY10137000/製造販売:第一製薬株式会社
製品名: LOGIQ S8(ロジック エス エイト)
薬事認証名称: 汎用超音波画像診断装置LOGIQ S8
希望小売価格: 1億円(税込み)
発売日: 2011年8月12日
初年度国内販売目標: 500台
医療機器認証番号: 222ABBZX00199000号
その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事認証名称/医療機器認証番号は以下の通り
【お問い合わせ先】
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 コミュニケーション本部・松井亜起
Tel: 0120-202-021 Fax: 042-585-5360 Mail: aki.matsui@ge.com
メディカルオンライン プロダクト製品情報
最新ニュース・プレスリリース
- 【GEヘルスケア・ジャパン株式会社】GEヘルスケア・ジャパン、慶應義塾大学病院にてデータ駆動型病院オペレーションの実現を支援 (2024-12-11)
- 【GEヘルスケア・ジャパン株式会社】GEヘルスケア・ジャパン ポケットエコーで実現するこれからの在宅医療について調査を実施 (2024-12-03)
- 【GEヘルスケア・ジャパン株式会社】GEヘルスケア、日本の放射性医薬品のリーディングカンパニーである日本メジフィジックスの株式50%を住友化学から取得し完全子会社化 (2024-12-02)
- 【GEヘルスケア・ジャパン株式会社】GEヘルスケア・ジャパン Point of Care超音波診断装置「Venue™」「Venue Go™」の新バージョンを販売開始 (2024-10-17)
- 【GEヘルスケア・ジャパン株式会社】GEヘルスケア・ジャパンの超音波診断の遠隔トレーニングサービスにNTTコミュニケーションズの映像配信サービスを採用 (2024-10-15)