令和6年春の褒章において紫綬褒章を受章
- キヤノンメディカルシステムズ株式会社
- 2024年4月30日
キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市、代表取締役社長:瀧口 登志夫)は、令和6年春の褒章において、川岸 哲也(かわぎし てつや)が「紫綬褒章」を受章したことをお知らせします。紫綬褒章は、学術研究や芸術、文化などにおいて優れた功績を残した個人に国から授与される褒章です。
川岸は、従来は映像化できなかった生体内深部の組織を高解像度で映像化する技術(差周波と第2高調波を利用する超音波診断装置)の開発に取り組み、紫綬褒章受章に至りました。
【功績概要】
生体に向けて超音波を送信し、生体内の組織等ではね返った反射波を受信することで生体内を映像化する超音波診断装置において、従来は非線形効果により発生する第2高調波を利用してアーチファクト(偽像)が少ない映像を得る技術が存在しました。しかし、第2高調波は高い周波数帯域に狭く分布するため、体表に近い領域しか十分な感度を得られず、映像の分解能が劣化する問題がありました。
川岸はこれらの問題を克服するため、周波数が異なる2種類の超音波を同時に送信し、反射波において第2高調波と第2高調波と同じく非線形効果により生じた差周波の合成波を発生させる超音波診断装置を開発しました。この合成波は、非線形効果による反射波の成分のみから構成され、低周波数から高周波数までを網羅する広い周波数帯域の超音波です。そのため、超音波診断装置において映像におけるアーチファクトが少ないという従来技術の良さを残したまま、浅部から深部にかけて十分な感度を持つ高分解能な映像を得ることを可能にしました。
本開発により、従来技術では超音波診断が困難であった部位(消化管、皮膚、関節、筋、腱、骨等)における超音波診断確立に寄与しています。また、従前超音波診断が行われていた部位(肝臓、胆嚢、膵臓、乳腺、甲状腺、前立腺、子宮、卵巣等)についても病変の早期発見・早期治療開始が可能となりました。当社製の超音波診断装置のラインアップには「D-THI(Differential Tissue Harmonic Imaging)」として本技術を搭載し、世界中の医療に貢献しています。
【受章者】
Canon Medical Systems Europe B.V.(キヤノンメディカルシステムズヨーロッパ)
代表取締役社長 川岸 哲也
【主な受賞歴】
2012年 関東地方発明表彰 発明協会会長奨励賞
2018年 全国発明表彰 文部科学大臣賞
2023年 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞
- 企業サイトURL
- https://jp.medical.canon
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