清潔かつ柔軟なハイブリット手術室の環境を実現する自走式アンギオ装置に40cm大口径フラットパネル搭載

手術室内でのアクセスを大幅に改善し、患者さんにやさしい治療環境を実現

GEヘルスケア・ジャパン株式会社
2014年6月5日

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長兼CEO:川上潤)は6月5日(木)、大口径フラットパネルを搭載し、かつハイブリッド手術室※1における患者へのアクセス向上に大きく貢献する自動走行式多目的X線撮影装置(血管X線撮影装置:アンギオ装置)の最上位機種 「Discovery IGS 740(ディスカバリー・アイジーエス740)」を、先進の血管内治療と外科手術を施行するハイブリッド手術室を設置予定の施設を主対象に発売します。大口径フラットパネルの搭載により、一度に大視野のイメージングが有用となる、腹部血管、非血管系のインターベンション(IVR)※2にも対応可能となりました。

■Discovery IGSシリーズ市場背景

近年、高齢化の進展や患者のQOL(Quality of life)に対する意識の高まりなどを背景に、外科手術に比べて患者への侵襲の少ない治療法として、カテーテルやステントを使用するインターベンション治療法が普及しつつあります。例えば、発症後数年で死に至ることもある大動脈弁狭窄症の治療は、従来、開胸する外科手術が一般的で、年齢や合併症などのリスクから手術を断念するケースも数多くありました。近年、インターベンション治療法の一つとして、大腿動脈、または麻酔下で小さく開いた左胸から直接カテーテルを挿入して人工弁を留置する経皮的大動脈弁植込み術(TAVI:Transcatheter aortic valve implantation)が可能になり、すでに全世界ですでに10万人を超える※3患者がこの治療を受けているといわれています。加えて、2013年10月、日本でもTAVIの保険償還が決定、今後この分野の低侵襲治療に拍車がかかることが見込まれます。こうした新たなハイブリッド治療の登場により、患者さんへの選択肢が広がった一方、その手技は、通常のインターベンションに比べて複雑化し、かつ長時間を要するようになってきました。同時に、ハイブリッド治療では限られたスペースに多くの周辺機器が必要とされるため、天吊り式の柔軟な動きと床置き式のような安定した画質を提供できるX線撮影装置が求められるようになりました。

2013年4月、当社は国内初の自動走行式アンギオ装置として、従来の床置き式と天吊り式のアンギオ装置の利点を統合し、高度化する低侵襲のインターベンションと低侵襲外科治療の両手技において、安全性を考慮し、かつ患者に優しい清潔な環境をサポートするDiscovery IGS730を発表。このたび、さらなる動きの改善を施し、大視野を可能にした40cm大口径フラットパネルを搭載したDiscovery IGS740の発売に至りました。

近年のハイブリッド手術室では、通常の手術用器具なども装備されていることから周辺機器が非常に多く、スペースの確保が難しい状況にありました。海外では80%の施設においてカテーテル治療と外科手技の両方が実施されているというレポート※4もあり、こうした環境は今後日本でも推進されていくと考えられています。これらの課題の中、自走式アンギオ装置は、柔軟なスペースの確保や、天吊りレールがないことによる清潔な空調環境を保つことを可能とし、術者に妨げなく手技に集中できる環境を提供します。

■Discovery IGS 740の特徴
(1)自動走行式レーザーガイドシステム
●手術室には様々な装置が設置されるため、麻酔実施、緊急手術の際などに困難だった患者へのアクセスを大幅に改善
●ガントリーの回避が可能となったことで、柔軟なスペース有効利用が可能に
●Cアームに起因する天吊りの可動アイテムが存在しないため、ヘパフィルターからの気流を妨げることなく、清潔な空調環境を保ちます

(2)Innova Vision※5搭載
●Innova Visionは、高度なフラットパネル技術と、画像処理技術を駆使した描出能の高い3D画像を利用したロードマップ機能です。これにより、アンギオでの3D撮影 なしに、透視画像とのFusionが可能となり、治療時の解剖学的情報提供でサポートし、緻密な治療を成功させるために大きく貢献します
●造影剤の低減、患者の被ばく低減にも貢献します

(3)一度に安定した広範囲の画像を取得する40cm×40cmの大口径フラットパネル
●大口径40cmを搭載したアンギオ装置でのストレスのないポジショニングを実現

(4)ワイドボア3Dを実現
●これまで撮影が難しかった肝臓領域の辺縁なども対応可能に


(5)頭部側斜め方向からのアクセスが可能に
●Cアームを斜めから挿入しながらアクセスができることにより、患者へのアクセスが非常にスムーズになりました
●さらに、透視、撮影画像は、デジタルローテンション機能により自動的に回転することが可能となり、術者の想像通りのイメージングを実現します

※1 ハイブリッド手術とは、外科手術とカテーテルによる血管内治療(内科的治療)を組み合わせた手術。ハイブリッド手術室とは、そのための高性能な透視装置と手術寝台を設置し、最近急速に増加している各分野の血管内治療に対応するための手術室です
※2 インターベンションとは、心臓、血管、肝臓、脳、消化器、泌尿器などの病気に対する治療法の一つで、主に皮膚に開けた直径数ミリの穴からカテーテルと呼ばれる細いチューブを血管に挿入し治療を行う治療法です
※3 2014.1.9 「大動脈弁狭窄症」より http://sk-kumamoto.jp/issue/No.029_%E5%A4%A7%E5%8B%95%E8%84%88%E5%BC%81%E7%8B%AD%E7%AA%84%E7%97%87.pdf
※4 出典:Hybrid OR 2013, by KLAS
※5 Advantage Workstationの機能となります。

製品名:Discovery IGS 740
薬事販売名:多目的X線撮影システムDiscovery類型"740"
発売日:2014年6月5日
初年度国内販売目標:10台
医療機器認証番号:225ACBZX00006000

その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器認証番号は以下の通り

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