Hutchinson-Gilford早老症候群患者と一部のラミノパチー患者の治療のためにZokinvy(lonafarnib)を承認
FDA Approves First Treatment for Hutchinson-Gilford Progeria Syndrome and Some Progeroid Laminopathies
要約
FDAは、1歳以上のHutchinson-Gilford早老症候群患者と一部のラミノパチー患者の治療のためにZokinvy(lonafarnib)を承認した。
詳細
FDAは、1歳以上のHutchinson-Gilford早老症候群患者とZMPSTE24遺伝子産物の欠損・変異によるラミノパチー患者の治療のためにZokinvy(lonafarnib:ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬)を承認した(オーファンドラッグ指定)。ZMPSTE24遺伝子がコードする金属プロテアーゼは、ラミンAのファルネシル化フラグメントを除去し、成熟ラミンAの生成を担う。Hutchinson-Gilford早老症候群患者のラミンAはこのプロテアーゼの識別部位を欠くため、ファルネシル化フラグメントが除去されずに異常なラミンA:プロジェリンとなる。本承認は、未治療患者の自然経過との比較を行った2つの単群試験(62名が参加)の結果に基づく。一般的な副作用には、悪心・嘔吐・下痢・感染症・食欲減退・疲労・血中Na/K値変化・白血球減少・肝機能障害などがあった。本剤は、強/中程度のCYP3A阻害剤や誘導剤、ミダゾラム、特定のコレステロール低下薬との併用は禁忌である。また、前臨床試験では眼毒性があったので、注意を要する。